ヤマハ発動機は3月20日、2025年のレース活動を紹介する「YAMAHA MOTORSPORTS MEDIA CONFERENCE」を開催。6年ぶりにヤマハファクトリーチームとして2025年の「2025 FIM世界耐久選手権“コカコーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)に復帰することを発表した。
この日ヤマハは、全日本ロードレース・モトクロス・トライアルの参戦体制を発表、世界初公開となる3カテゴリのファクトリーマシンなどの参戦車両をアンベール。「ヤマハファクトリーレーシングチーム」のライダーも登壇し、4月のシーズン開幕に向けて抱負を語った。

そして、8月1~3日に鈴鹿サーキットで開催される日本最大級の二輪レース「鈴鹿8耐」にファクトリー体制で参戦することを発表した。ヤマハは今年、1955年の創立から70周年を迎える。この年に「第3回富士登山レース」で開始したレース活動も70周年を迎えることから、これを記念する活動の一環として参戦を決めた。
参戦マシンとなる「YZF-R1」は、1964年のロードレース世界選手権で初めて使用し、ヤマハレーシングマシンの伝統的なカラーリングの一つである「ホワイト×レッド」を採用する。このデザインは、1999年に世界500台限定で発売し、同年の鈴鹿8耐に参戦した「ヤマハレーシングチーム」の『YZF-R7』にインスパイアされ新たにリデザインしたものだという。

チーム名は1990年代後半のファクトリーチームが使用した「ヤマハレーシングチーム」とするほか、チームロゴも当時のロゴをモチーフにアップデートしたデザインを採用。ライダーやチームスタッフが着用するウエアやチームガレージも1999年のデザインをベースにトータルコーディネートする。
ライダーは、全日本ロードレース選手権の最高峰クラスとなる「JSB1000」に参戦し、通算89勝、12回のチャンピオンを獲得したほか、鈴鹿8耐でも4度の優勝経験を持つ中須賀克行選手を日本代表として起用。残る2人は、MotoGP世界選手権やスーパーバイク世界選手権に参戦するヤマハライダーから選抜すると発表した。

チーム監督は、1999年にYZF-R7で鈴鹿8耐に出場し、同年に全日本の最高峰であったスーパーバイクでチャンピオンに輝いた1990 年代を代表するヤマハのファクトリーライダー吉川和多留氏が務める。
ヤマハは、鈴鹿8耐へのファクトリー復帰について、「世界が注目する日本の鈴鹿8耐で、日本メーカーである当社が勝利を目指しチャレンジする姿を通して、世界中に感動を届けることを目的とします」としている。今年の鈴鹿の夏は、より暑くなりそうだ。