【スズキ GSX-S1000 試乗】猛獣のように吠えるエキゾースト音に魂が震える…佐川健太郎

スズキ GSX-S1000
スズキ GSX-S1000全 29 枚

◆名機「K5」の直4エンジンが吠える

アグレッシブな走りで人気のスズキを代表するスポーツネイキッド『GSX-S1000』にあらためて試乗してみた。2025年モデルでは新色となり、メーターが5インチカラーTFTに刷新されている。エッジの効いた前衛的なデザインは今見ても新鮮だ。

スズキ GSX-S1000

まずエンジンが素晴らしい。スーパースポーツ『GSX-R1000』の中でも、とりわけ名機の呼び声高い2005年型「K5」から派生した水冷直4エンジンをストリート用に最適化チューニングしたものだ。最高出力150psのスペックもさることながら、その神髄は出力特性にある。GSX-Rシリーズ随一のロングストローク型エンジンというメリットを生かし、さらに低中速トルク型に振ることでストリートでの扱いやすさや常用域でのパワフルな加速を実現している。

スズキ GSX-S1000スズキ GSX-S1000

それでもストリートでは十分すぎるほどで、スロットルを開けた瞬間に反応するダイレクト感が凄い。ガオガオと猛獣のように吠えるエキゾースト音に魂が震える。「あ~この感じ、やっぱK5だよ!」と心の中でニヤリ。それでいてエンジン回転はスムーズで街中でも扱いやすく、4速ぐらいの高めのギアで流していても分厚いトルクが車体を押し出してくれるので、3000rpmも回していれば十分に速いのだ。さらにアップ&ダウン双方向のクイックシフター標準装備なので、発進&停止が多い街中でもストレスフリーである。

◆「そこいらのネイキッドとは生まれ育ちが違うのだよ」

スズキ GSX-S1000スズキ GSX-S1000

コーナリングも楽しい。ハンドリングは直進時にはどっしりしているが、幅広なハンドルのおかげで倒し込みのキッカケも作りやすく身のこなしも軽快だ。持て余すほどのパワーも電子制御システム S.I.R.S.(スズキ・インテリジェント・ライド・システム)が賢くコントロールしてくれるので安心。3種類の走行モードによって出力特性を瞬時に変更できるため、路面状況や気分によってフレキシブルに走りをアレンジできるのも強みだ。

旋回中も大型バイクらしい安定感があり、また、5段階調整式のトラコンやABSのサポートがあることで、さらに安心感を高めてくれた。ちなみにロケ日はまだ気温も低めだったのでほぼC(コンフォート)モードで走ったが、右手に敏感すぎずリラックスして乗れる。正直これが公道では最適と思った。

スズキ GSX-S1000スズキ GSX-S1000

足まわりも盤石だ。KYB製サスペンションはフロントφ43mm倒立フォークとリンク式モノショックの現代的な仕様で、しなやかな作動感だがコーナリング時はしっかり踏ん張るコシの強さも併せ持つ。また、ブレンボ製ラジアルキャリパー装備のダブルディスクブレーキは指1本でも十分強力かつコントロールしやすいし、GSX-R譲りの高剛性なアルミツインスパーフレームとも相まって、ちょっとやそっとでは何も起きる気がしない頼もしさ。さすがはGSX-Rの血筋。「そこいらのネイキッドとは生まれ育ちが違うのだよ」とバイクの囁きが聞こえるようだ。

高速道路にも乗ってみたが、飛ばすとさすがに風圧を受けるので、すかさず最強のA(アグレッシブ)モードにブートアップ。風を跳ね返すパワーで空気を切り裂いて進むのがストファイ(ストリートファイター)の漢らしい乗り方と納得した。

◆どこをとってもバランスよく仕上がっている

スズキ GSX-S1000スズキ GSX-S1000

最後にライポジについて。シート高は810mmと比較的低めで足着きは良好と言っていい。筆者は身長179cmほどだが両足がしっかり地面に届くので安心だし、214kgと軽量な車体は取り回しやUターンでも有利だ。また、発進や低回転走行時にエンジン回転の落ち込みを緩和してくれる「ローRPMアシスト」という保険もあるので有難い。着座位置も前後に余裕があってスポーティに動けるし、クッション性も適度で長時間の走行でも疲れにくくロングツーリングも快適に楽しめそうだ。

あらためて、GSX-S1000のパフォーマンスに感心するとともに素直に“良いバイク”と思った。官能的な直4サウンドや高速道路での安定感、ワインディングでの楽しさと街中での使いやすさなど、どこをとってもバランスよく仕上がっていると思う。スポーツバイクが好きで毎日でも乗りたい。そんなライダーにはまさにぴったりの選択肢だろう。

スズキ GSX-S1000スズキ GSX-S1000

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『プロボックス』ついに全面刷新か? 見えてきた次期型の進化
  2. 「グレード構成どうなる?」トヨタ『ハリアー』次期型に期待の声、SNSでは予想デザインにも反響
  3. VW『カリフォルニア ビーチ』新型専用、空気注入式キッチンとベッドシステムの新コンセプト発表へ…キャラバンサロン2026
  4. ポルシェ伝説の「フラットノーズ」、1台限りで復活…『911 GT2 RS』をベースに約3年かけて製作
  5. スズキ、軽EV『eスカイ』今秋発売、気になる「求めやすい価格」[新聞ウォッチ]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  3. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  4. 日立エナジー、空飛ぶクルマ向け電力インフラ整備へ…Eve Air Mobilityと覚書締結
  5. HERE Technologiesの「ロードアラート」、ユーロNCAPの要件に適合…最大1.35ポイント取得可能に
ランキングをもっと見る