ヤマハ発動機は、北海道道北エリアを主な仕向地とする新型漁船『DY-48I-0A』を7月に発売すると発表した。この新モデルは、主にタコ漁を中心とする漁業向けに開発され、34年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
「DY-48I-0A」は、「SMART FISHERMAN」をコンセプトに掲げ、近年注目される「スマート水産」の促進を目指している。スマート水産とは、漁業経営の効率化・低コスト化・省労力化を目指す取り組みを指す。

新設計の船型により、航走姿勢を最適化し造波抵抗を抑えることで、従来モデル比で燃費性能を約16%向上させた。また、航走時・静止時の安定性、凌波性、保針性、旋回性のすべてを高レベルで実現している。
作業性の向上も特徴の一つだ。デッキ幅を拡大し作業スペースを広げるとともに、デッキ上の凹凸を排除したフラッシュデッキハッチを一部採用した。さらに、イケス用冷却設備の設置スペースを確保し、漁獲物の高付加価値化を図っている。

デザイン面では、ブリッジ(操船室)や船体の新設計に伴い、ヤマハ漁船のアイコンである「波切りマーク」を新たに作成。伝統を継承しつつ、よりモダンでスポーティな印象に進化させている。
ヤマハ発動機は1970年に国内初となる量産型FRP漁船を発売して以来、日本各地の漁業形態や環境に合わせた漁船を開発してきた。今回の新モデルも、地域に密着した市場の声に耳を傾けながら開発されたという。

新型漁船「DY-48I-0A」は、燃料経済性や漁労時の快適性・効率性などを向上させ、スマート水産のための船体プラットフォームとして持続可能な漁業経営を支援することが期待されている。