米中欧ASEANのリアルな市場分析から見える、日本車ビジネスの勝ち筋とは?…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏 [インタビュー]

米中欧ASEANのリアルな市場分析から見える、日本車ビジネスの勝ち筋とは?…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏 [インタビュー]
米中欧ASEANのリアルな市場分析から見える、日本車ビジネスの勝ち筋とは?…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏 [インタビュー]全 5 枚

来たる5月21日、オンラインセミナー「日・中・欧・ASEANを俯瞰し自動車ビジネスを読み解く(パワートレイン編)」が開催される。セミナーに登壇するのは、KPMGコンサルティング株式会社 プリンシパルの轟木光氏。

今回のセミナーは以下のテーマで進められる。

【最初に】
1.自動車市場+パワートレインミックス
2.日本・中国・欧州・米国OEMのそれぞれのシェア推移(各市場にて)

【中国】
1.自動車産業の収益性
2.中国からの輸出
3.中国OEMの海外生産について
4.電池ビジネス(中国、日本、韓国、欧州)

【米国】
1.米国の貿易収支
2.通商政策(関税)
3.中国との関係はどうなるのかの考察
4.BEVはどうなるのかの考察
5.コネクテッドカーについて

【欧州】
1.欧州の貿易収支
2.中国BEVに対する対応
3.電池ビジネスについて
4.CO2規制と今後について
5.EU委員会の動きについて

【東南アジア】
1.ASEANビジネス概況
2.タイでの自動車ビジネス
3.ASEANでの二輪車ビジネス
4.電動化について

【全体】
・日系自動車産業の勝ち筋考察

セミナーに先立ち、見どころを轟木氏に聞いた。

ローカル市場のニーズに回帰

世界的にBEVシフトが進んでいたように見えた自動車市場は、実際には地域ごとの事情が大きく異なり、一様な戦略では立ち行かなくなっているという。

KPMGコンサルティング株式会社 プリンシパルの轟木光氏は、世界各地でグローバル化からローカル化への動きが起きていると語る。

「世界各国の市場でいま起きているのは、ローカル市場のニーズに立ち返った動きです。BEVというグローバルでひとつのソリューションでは、各市場お客様を満足させられないということです」

轟木氏は、米国・中国・欧州、それぞれの市場について次のように分析する。

「米国は現在でも内燃機関だけのシェアが約8割という市場ですが、現在の政権は前の政権が実施していたBEV普及施策を撤回し、内燃機関を使ったビジネスの継続性を市場に提供しています」

一方の中国についてはこう述べる。

「中国市場はBEVとPHEVといったNEVに注目がいきがちですが、最新の統計では(2025年1-2月)、内燃機関だけの車のシェアは約6割となり、同様に内燃機関を搭載するPHEVも含めると内燃機関搭載率は75%を超えます。これがファクトです」

欧州における自動車へのCO2排出規制強化の流れについては、「欧州自動車産業の競争力の低下に影響している可能性がある」と指摘。

「EU委員会は、規制強化を行うことで欧州の自動車産業の競争力が高まると考えていたようです。しかしながら実際は、2024年9月に発表された『欧州の競争力の将来』(通称:ドラギレポート)において、BEVをはじめとして欧州の自動車産業の競争力低下が指摘されています」

日本と欧州の自動車メーカーの戦略についても次のように話す。


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る