日野自動車は4月24日、2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の通期連結決算を発表した。営業利益は575億円となり、前年度に比べて増益を確保した。一方、認証不正問題に伴う損失処理の影響で、当期純損益は2178億円の赤字となった。
●営業利益と経常利益は黒字転換
売上高は1兆6972億2900万円で、前期比11.9%の増収となった。トヨタ向けの出荷増加や円安効果が寄与し、営業利益は574億9000万円、経常利益は393億1000万円を計上。ともに黒字転換を果たした。
一方で、認証不正に関連する北米での特別損失2584億1300万円を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は2177億5300万円と大幅な赤字となった。
営業利益については増益となった。アセアン市場の低迷が続いたものの、日本国内での販売増加やトヨタ向けの出荷増加、さらに為替の円安効果が寄与した。
当期純損益は、認証不正問題に関連する損失処理により2178億円の赤字となった。ただし認証関連の特別損失については、2024年度までにおおむね処理を完了している。
●トラック・バス市場の総需要はアセアンを除いて回復
国内トラック・バス市場では、総需要が16万7800台と前期比12.3%の増加となった。大中型トラックおよび小型トラックの総需要は、部品供給の改善や新型コロナ禍後の需要回復により増加となった。バスの総需要も増加した。供給制約問題の解消や新型コロナ禍以降の買い控えからの回復などによる。
国内売上台数は、トラック・バスの合計で4万1253台と、前期に比べ5000台の増加、13.8%プラスとなった。出荷再開した大型トラックの一部車型の販売が好調だ。海外のトラック・バス市場での売上台数は合計で8万5800台と、前期に比べ6200台の減少、6.8%マイナスとなった。主にアセアンを中心とした販売減の影響だ。