三菱自動車工業は5月8日、2025年3月期(2024年4月1日~25年3月31日)の連結業績を発表した。売り上げ台数はプラスだったものの、売上高は横ばいの2兆7882億円で、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比73.5%マイナスの410億円と大幅な減益となった。
営業利益は1388億2600万円で27.3%マイナス、経常利益は986億0200万円で52.8%マイナスだった。
●見通しを上回る着地
業績悪化の主な要因は、タイやインドネシアなどアジア市場での需要回復の遅れと、世界的な自動車供給制約の緩和に伴う競争激化だ。営業利益は前年同期比27.3%減の1388億円、経常利益は同52.8%減の986億円となった。
同社は2024年度について「上期までは為替の追い風もあり収益を伸ばせたが、下期以降はコスト通貨のタイバーツ独歩高もあり、為替もマイナス影響に転じた」と説明している。厳しい状況下でも、新型車を主体とした台数増加を収益に繋げるとともに、費用削減を徹底したことで、第3四半期に修正した通期営業利益見通しを上回る着地となった。
通期販売台数はグローバルで前年度比3%増の84万2000台となった。地域別では、日本が11万8000台、北米が18万6000台、欧州が5万1000台、アジアが26万2000台、その他地域が22万5000台だった。
●2026年3月期見通しは増収減益
2026年3月期の業績見通しについては、売上高2兆9500億円、営業利益1000億円、経常利益900億円、親会社株主に帰属する当期純利益400億円を計画している。販売台数はグローバルで前年度比4%増の87万8000台を見込む。ただし北米は18%マイナスの15万3000台と予想している。
三菱自動車は「2025年度の経営環境は、特に自動車業界にとって逆風が強く、今後も変化の大きいものとなる」としながらも、「変化に機敏かつ柔軟に対応し、新型車投入効果を最大化するとともにコスト管理を徹底することで、業績維持に努める」と述べている。