トヨタ、今期34%減益予想、宮崎副社長「じたばたする状態でない」[新聞ウォッチ]

トヨタ自動車 2025年3月期 決算説明会
トヨタ自動車 2025年3月期 決算説明会全 3 枚

トヨタ自動車が発表した2026年3月期の連結決算(国際会計基準)の業績予想で、純利益が前年度比34.9%減の3兆1000億円になる見通しだという。売上高は1%増の48兆5000億円を見込んで生産や販売は維持するものの、円高やトランプ米政権の輸入車に対する追加の関税政策が儲けを押し下げるとみられる。

各紙の朝刊にも「トヨタ、34%減益予想」などと、毎日が1面トップで報じたほか、他紙も1面や総合面、経済面に決算関連の記事を詳しく取り上げている。

このうち、読売は「米関税トヨタ直撃、2カ月分のみで1800億円減」「日本経済全体に波及も」とのタイトルで「日本を代表する製造業で顕在化した影響は広範囲に広がる可能性が出てきた」と指摘。

毎日も「トヨタ系町工場募る不安、供給網どう影響」として「トヨタ自動車に部品などを供給するサプライヤーが、トランプ関税の影響に警戒を強めており、現場を取材するといる、くすぶる懸念と不満も見えてきた」と報じた。さらに、東京は「米関税止まらぬ悪影響、長期化の恐れ、現地生産の動き加速」。

一方で、日経は決算説明会で佐藤恒治社長が「軸をぶらさずに短期、長期でしっかりと取り組み、(国内生産300万台体制も )揺るがず守っていきたい」などと強い口調で述べたことで「トヨタ『国産300万台』維持、輸出先の多様化推進」「関税逆風 供給網『ぶれずに守る』」。ただ、別の紙面には「EV世界販売、来年150万台計画、トヨタ、下方修正へ」などと、この日、佐藤社長が出遅れている電気自動車の世界販売計画について「見直しをかけていく」と柔軟に対応すると言及したことも伝えている。

さらに、朝日は総合面に「減益予想でも強気のトヨタ」をメインに「今年度北米HV好調、8.8%増見込む」と、やや皮肉っぽい見出しで「収益構造は改善している。じたばたしなきゃいけない状態にはなっていない」などと、財務担当の宮崎洋一副社長の発言を引用。経済面にも「トヨタ国内生産体制は維持、場当たり的な値上げしない」とも。注目のトヨタ決算について各紙の報道ぶりをみると、「トランプ関税」にじたばたしているのは、むしろメディア側のような印象を受けた。

トヨタ自動車 宮崎洋一 取締役副社長 CFOトヨタ自動車 宮崎洋一 取締役副社長 CFO

2025年5月9日付

●米英関税交渉合意、車10%に引き下げ、鉄鋼・アルミは撤廃 (読売・1面)

●トヨタ、34%減益予想、今年度円高や関税織り込む(朝日・1面)

●三菱自動車・関税で400億円減益、日産米工場での生産検討、26年3月期 (朝日・7面)

●トヨタ系町工場、募る不安、米追加関税、供給網どう影響 (毎日・3面)

●メキシコ生産の車、米フォード値上げ (産経・8面)

●ニデック、TOB撤回、牧野フライス巡り、地裁判断受け (日経・1面)

●中国自動車部品タイ進出3倍に、BYDなどEV大手に供給「地場企業、恩恵少なく」 (日経・11面)

●EV世界販売、来年150万台計画、トヨタ、下方修正へ (日経・17面)

●4月輸入車販売、EV5割増 (日経・17面)

《福田俊之》

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