米国の主要自動車メーカーを代表する団体「アメリカ自動車政策評議会(AAPC)」は、トランプ政権が発表した英国との貿易協定について、北米パートナーよりも英国を優先したことへの失望を表明した。
AAPCのマット・ブラント会長は声明で、「米国の自動車産業はカナダとメキシコと高度に統合されているが、米国と英国の間ではそうではない」と指摘。「この協定により、米国部品をほとんど含まない英国車の輸入が、半分が米国部品で構成されるUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)準拠のメキシコやカナダからの車両よりも安くなる」と懸念を表明した。
ブラント会長は「これは米国の自動車メーカー、部品サプライヤー、自動車労働者に打撃を与える」と述べ、「北米車に対する英国車のこの優遇措置が、将来のアジアや欧州の競合他社との交渉の先例とならないことを願う」と付け加えた。
AAPCはフォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)、ステランティスといった米国自動車メーカーを代表するワシントンDCに拠点を置く団体で、加盟企業の共通の公共政策利益を代表している。