電動フォーミュラカーのレース、フォーミュラEの東京E-Prix第9戦が5月18日に開催され、日産フォーミュラEの#23オリバー・ローランドが優勝を飾った。アタックモードを有効に使えたのが勝因。
土曜日に続くダブルヘッダーの2戦目、レースはポール:ローランド、2番手:#33ダン・ティクタム(クプラ・キロ)、3番手:#1パスカル・ウェーレイン(タグホイヤー・ポルシェ)のグリッド順でスタート、32周82.4kmで争われた。
ポールシッターのローランドは、アタックモード発動で20周目に6番手まで順位を落としていたが、先行車のアクティベーションゾーン通過の間に順位を回復、23周目に2位まで戻しウェーレインの後につけた。26周目、ローランドは第15コーナー立ち上がりのストレートで、50kWの四輪駆動ブーストの最後の数秒を有効に使い、ウェーレインの脇をすり抜けた。ウェーレインはローランドの走行ラインを抑えきれず。
アタックモードでは、先にレーシングラインから外れたアクティベーションゾーン(東京ではターン4の外側)を通過することによって、8分間のブーストを得ることができる。アクティベーションゾーンを通過する時に順位を下げることになるので、どのタイミングで通過し、どのタイミングでブーストをかけるかも作戦だ。ローランドがウェーレインを抜いた時点で、ローランドのブースト時間は残り12秒、ウェーレインはすでにブースト時間を使い切っていた。
ローランドは残る6周、ウェーレインの猛攻をしのいで優勝、ウェーレインは2位フィニッシュ。表彰台圏内を維持していた#33ダン・ティクタム(クプラ・キロ)は、セーフティカーが導入されたためトップ到達のチャンスを逃して、3位となった。先行する2台よりエネルギーが残っていたので残念なところ。しかし3位は自身初、そしてチームは2018年のメキシコシティE-Prixの2位以来の上位となる(当時のチーム名はNIO)。
日本勢は#11ルーカス・ディ・グラッシ(ローラ・ヤマハABT)が5位、#22ゼイン・マロニー(ローラ・ヤマハABT)が14位、ローランドのチームメイト、#17ノーマン・ナトーは17位だった。
チーム母国E-Prixで優勝したローランドは「言葉もない!」とコメント。「レース前半の戦略はうまくいってなかった。みんなが僕をアンダーカットして抜いた(先行するローランドより先にピットインし、ピットアウト後に抜いた)と思っているようだった。でも実際はアタックモードのブースト時間があと6分あったから、『こっちがみんなをアンダーカットできる』と思って、最終的にはうまくいった」と説明する。
選手権シーズン11は半分を過ぎ、ドライバーズランキング1位のローランドはさらにポイントを重ねた。2位ウェーレインの84ポイントに対し、ローランドは161ポイントを獲得しており、フォーミュラE史上最大のリードとなった。
フォーミュラE、次のE-Prixは、5月31日と6月1日に中国の上海で開催される第10&11戦のダブルヘッダーだ。