豊田自動織機、TOB受け入れへ、トヨタなど3兆円規模の出資も[新聞ウォッチ]

豊田自動織機
豊田自動織機全 5 枚

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ……

トヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機が、トヨタグループによる買収提案を受け入れる方針であることがわかったという。

株式の非公開化をめぐり、トヨタ自動車などが出資する特別目的会社(SPC)が、株式公開買い付け(TOB)を実施する方向で調整しており、きょうの日経によると、買収資金として金融機関から最大3兆円規模の借り入れを検討しているとも伝えている。

豊田織機の買収には総額6兆円規模の資金が必要とみられているが、このうち半分程度は三菱UFJ銀行などメガバンクを含む金融機関からの融資でまかなう案が浮上しており、残りの買収資金にはトヨタやグループ企業、豊田章男・トヨタ自動車会長などのトヨタ創業家からも出資をあてる見通しだという。

豊田織機は特別委員会を設置し、今回の買収が織機の企業価値向上につながるかなど提案の是非を議論。豊田織機はトヨタ株9%を保有する主要株主だが、2024年には英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)が豊田織機の上場子会社アイチコーポレーションとの親子上場の解消を求めたほか、仏ファンドのロンシャン・SICAVも積極的な自社株買いを求めるなど、アクティビスト(物言う株主)が攻勢を強めていた。

このため、非上場化で株主の圧力から逃れることで、グループ全体の経営安定化につなげる狙いのようだが「銀行融資の重い負債は背負うことになる」(日経)とも指摘している。

それにしても、日本を代表する自動車メーカーには、アクティビストなどの攻勢から源流企業を守るためにグループが一致団結して数兆円を出資するという余裕のある企業もあれば、一方で、工場の閉鎖や早期退職まで募らざるを得ないほどの経営再建にもがき苦しむく企業とが混在するのも悩みどころである。

2025年5月20日付

●日産閉鎖案、地域に暗雲、神奈川2工場、調整、県内に取引先1700社超、雇用「心配」(読売・3面)

●自動車会議所会長に豊田氏、来月就任へ、税制改正・米関税に対応(読売・7面)

●中国BYD日本市場を開拓、軽EV投入へ人材を募集(朝日・6面)

●豊田織機買収同意へ、トヨタグループTOB実施方針(毎日・6面)

●三菱自、EV出資せず、ルノー傘下「アンペア」(毎日・6面)

●ガソリン補助遠のく出口、原油は下落、バラマキ批判も、22日に新制度開始(産経・8面)

●日産「閉鎖まだ決まりではない」追浜工場で説明、神奈川県が緊急会議(日経・4面)

●ホンダ、軽2車種最大4%値上げ(日経・13面)

●日産株、一時3%高、工場の削減検討、材料視(日経・15面)

《福田俊之》

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