旭化成は、メタクリル酸メチル(MMA)モノマー、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、アクリル樹脂(製品名:「デルペット」、「デルパウダ」)とSBラテックスの4事業からの撤退を発表した。アセトニトリルに関しては、供給体制を再構築する。
同社は2026年3月期決算において、事業構造改善費用約250億円を特別損失として計上する見通しだ。
今回の構造転換の対象となる事業は、いずれも50年以上の歴史を持つ。MMA事業は1974年に、その他の事業は1963年に操業を開始し、国内外の顧客に製品を提供してきた。
しかし近年、経済環境の低迷が長期化する中、原料コスト上昇による競争力低下に加え、中国における石油化学製品の大規模な生産能力増強を背景とした需給環境の悪化により、これらの製品群の稼働率は低水準で推移している。旭化成はこの状況を「構造的かつ不可逆的」と判断し、撤退を決断した。