DSオートモビルとフランス造幣局は、『DS』の誕生70周年を記念した限定コインコレクションを欧州で発表した。
今年初めに発売された10ユーロ銀貨が数日で完売したことを受け、新たに限定コレクションを製作した。ラインナップには10ユーロ純銀貨、20ユーロ純金貨、20ユーロハイレリーフ純銀貨、特別DSミニセットが含まれる。

DS(シトロエン『DS』)は1955年10月6日、パリモーターショーのグランパレで初披露された。フラミニオ・ベルトーニがデザインを手がけ、前衛的なラインと革新技術で瞬く間に話題となった。
技術面では、航空エンジニアのアンドレ・ルフェーブルが前輪駆動と空力性能を追求し、独学のエンジニア、ポール・マジェスが油圧システムを開発。有名なハイドロニューマチックサスペンションや油圧アシスト機能を生み出した。
DSは自動車界の基準となり、フランス共和国大統領の公用車としても使用された。パリ中心部で20年間にわたり約150万台が生産された。そんなDSは2014年6月1日、「DSオートモビルブランド」として復活。現在もフランス流の移動芸術を体現するモデルを展開している。

フランス造幣局CEOのマルク・シュワルツ氏は「自動車界と造幣局は美と技術革新への共通の嗜好を持つ。DSという伝説的車両の70周年を記念するのは自然な流れだった」と語った。
DSオートモビルのザビエ・プジョーCEOは「急速に変化する自動車業界で、革新、卓越性、前衛性というDSのDNAを受け継いでいる。1100年以上の歴史を持つフランス最古の機関との提携を誇りに思う」とコメントした。
コインデザインは1975年製『DS23』をフィーチャーし、回転式ヘッドライトがコイン表面を照らす。光は巧妙な着色で表現され、ロジウムで覆われた暗い背景と印象的なコントラストを生む。下部には1955年のオリジナルDSが反射のように描かれている。

10ユーロ銀貨(111ユーロ、3000枚限定)、20ユーロ金貨(470ユーロ、1000枚限定)に加え、通常より厚いハイレリーフ20ユーロ銀貨も用意。DSミニセットは500セット限定で55ユーロで販売される。
なお、コインはフランス造幣局ウェブサイトと認定販売店で購入可能だ。