豊田自動織機総会、TOB価格「安すぎ」株主から疑問視の指摘相次ぐ[新聞ウォッチ]

豊田自動織機
豊田自動織機全 1 枚

“トヨタ番”の自動車担当記者は朝から夜まで目まぐるしくネタを追い続けるような大忙しの一日だったことだろう。

6月10日午前10時、トヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機が上場会社として最後となる可能性が高い定時株主総会を開催。伊藤浩一社長は非公開化に対して株主の理解を求めたが、出席した株主からは「価格の根拠が不十分」「上場廃止となると寂しい」など、非公開化や株の買い付け価格を疑問視する指摘の声が相次いだという。

きょうの各紙にも「TOB価格、株主から『低すぎ』」(朝日)などのタイトルで経済面などに取り上げている。一方、東京都内では、日本自動車会議所の新会長にトヨタ会長の豊田章男氏を選出。内山田竹志氏会長は退任し、8年ぶりにトップが交代した。経団連会館で開かれた総会後の懇親会で、豊田氏は「車を日本の文化にしたい。自動車産業がこの国を引っ張る」などと抱負を述べていた。

そして、トヨタ自動車傘下の日野自動車とドイツのダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスが、ようやく経営統合に向けた最終合意を結んだと発表。午後7時からは東京・千代田区でダイムラートラックのカリン・ラドストロムCEOとトヨタの佐藤恒治社長も出席した合同記者会見を行った。

持ち株会社を設立して日野と三菱ふそうをそれぞれ100%子会社化し、2026年4月1日に営業を開始。トップには三菱ふそうのカール・デッペン社長CEOが就き、東京証券取引所プライム市場への株式上場を目指すという。きょうの日経なども「背中を押したのは脱炭素対応への危機感。欧州など世界で環境規制が強まり米中勢も台頭するなか、時間的な猶予はない。次世代技術を早く実用化できるかが商用車の行方を左右する」などと指摘している。

トヨタ関連の記事はそれだけではない。きょうの紙面をみると、日本市場での米国車の販売低迷を問題視するトランプ米政権への対応をめぐり、トヨタ自動車は自社のインターネットメディア「トヨタイムズ」で、中嶋裕樹副社長が米自動車大手の車を国内のトヨタの販売網を使って売ることも「選択肢の一つ」との考えを述べてたことから、その追随記事をきょうの産経などが報じている。それによると、豊田章男会長が5月、石破首相と面会した際に伝えた提案の一つのようだ。

トヨタの提案は国内での米国車の販売増加につながる可能性があり、「米政府に追加関税措置の見直しを求めている日本政府にとっては交渉カードの一つとなりそうだ」(読売)とも伝えている。

2025年6月11日付

●G7レアアース調達分散、個別合意案、脱中国へ工程表 (読売・1面)

●日野・三菱ふそう統合合意、新会社設立へ、商用車連携で巻き返し(読売・9面)

●TOB価格株主から「低すぎ」豊田織機総会で指摘相次ぐ (朝日・7面)

●自動車会議所会長に豊田氏、8年ぶり交代 (毎日・6面)

●「輸入米車トヨタ店で販売」副社長提示経産相含み、関税措置回避へ(産経・8面)

●ホンダ、ラピダスに出資へ、トヨタに続き国策半導体に弾み (日経・1面)

●BYD起点天然ゴム急落、先物価格、車市場の減速映す、EV値下げが引き金(日経・2面)

●メキシコ州知事「日産を支援」3工場立地、社長と人材育成議論(日経・13面)

●ホンダ「当面HV」の難路、EV苦戦で現実路線、四輪成長に不安、PBR0.5倍割れ (日経・16面)

●フェラーリ転売、5億円申告漏れ、大阪の医療法人元理事長 (日経・35面)

《福田俊之》

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