最強のポルシェ『タイカン』が続々と“サーキット破り”!? 米国と中東でEV最速ラップ記録を更新

ポルシェ『タイカン ターボ GT』(米ロードアトランタ)
ポルシェ『タイカン ターボ GT』(米ロードアトランタ)全 5 枚

ポルシェのフラッグシップEV、『タイカン ターボ GT』が、米国ジョージア州のロードアトランタサーキットとアラブ首長国連邦のヤスマリーナサーキットで新たなラップ記録を樹立した。

米国と中東でEV最速ラップ記録を更新したポルシェ『タイカン』

ロードアトランタの4.088kmのコースでは、パトリック・ロング選手が1分27秒1で走破し、2020年の『タイカン ターボ S』の記録を6秒以上更新した。ロング選手は「ポルシェのアクティブライドシステムが車体の動きを完璧に補正し、精密な操舵を実現した」とコメントしている。

一方、ヤスマリーナの5.281kmのフォーミュラ1コースでは、GTレーサーのラメズ・アザム選手が夜間に2分7秒2のタイムを記録。これはツーリングカーのラップ記録に1.1秒差に迫る速さで、エミレーツモータースポーツ協会により市販電気自動車の最速記録として公式認定された。アザム選手は「タイカン ターボ GTは直線だけでなく、コーナーでも真価を発揮する」と述べている。

これらの記録は、タイカン ターボ GTが世界各地で達成してきた複数のラップ記録の一環。2025年2月にはフェリペ・ナスル選手がブラジルのインテルラゴスF1サーキットで1分42秒1を記録し、2024年10月にはラース・ケルン選手が上海インターナショナルサーキットで2分11秒2の公式記録を樹立した。さらに同年春にはラグナセカで1分27秒8、ニュルブルクリンク北コースでは7分7秒5の記録も達成している。

タイカン ターボ GTは、シリコンカーバイド半導体を用いた高効率パワーインバーターを搭載し、リアアクスルで1100psを超えるピーク出力を発揮する。ボタン操作で最大120kWのパワーブーストが10秒間可能な「アタックモード」を備え、レーシングカーと同様の性能を持つ。軽量化のためカーボンファイバー部品を多用し、タイカン ターボ Sより最大75kgの減量を実現。特にバイザッハパッケージ装着車はリアシートを省き、さらなるパワーウェイトレシオの向上を図っている。

サスペンションはGT専用チューニングのポルシェアクティブライドを標準装備し、ダイナミックな走行でも路面との接地感を高めている。これらの技術により、タイカン ターボ GTは電気自動車の性能限界を押し広げ、世界のサーキットで次々と記録を塗り替えている。

《森脇稔》

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