日産株主総会、社外取締役留任などへの批判噴出、「日産愛」の株主の“はけ口”に[新聞ウォッチ]

日産自動車が24日に開催した株主総会。写真はイヴァン・エスピノーサCEO
日産自動車が24日に開催した株主総会。写真はイヴァン・エスピノーサCEO全 3 枚

日産自動車が横浜市のグローバル本社で開いた定時株主総会には、昨年よりも多い1071人が出席し、提出議案が可決されるまでの所要時間も3時間を超えた。くじ引きにより16人の株主が質問したが、4月に就任したばかりのイバン・エスピノーサ社長の経営手腕を問いただす発言や会場からは取締役会議長の木村康氏や報酬委員会委員長の井原慶子氏ら8人全員の再任が承認された社外取締役の責任を追求する怒号も飛び交う場面もあった。

きょうの各紙も日産の株主総会を“紙上公開”しているが、このうち、読売は「日産新体制苦難の船出」とのタイトルで「新経営陣は工場閉鎖や人員削減の取り組みを進めるが、株主からは業績悪化や経営責任を問う声が相次いだ」として、「トヨタ自動車はひっきりなしに新型車が出るのに日産は出ていない。それが原因で赤字になったのではないか」と指摘する株主の声もあったなどと取り上げた。

朝日は「追浜閉鎖なら『町吹っ飛ぶ』、リストラ計画に批判」との見出し。「工場閉鎖による地域経済への打撃を懸念する株主は『(かつて閉鎖された)村山工場みたいに、(その城下)町が吹っ飛ぶ』などと経営陣の責任をただしたとも。

毎日は「日産、企業統治に厳しい目、高額報酬、社外取締役再選」。東京も「日産、株主から批判噴出、経営責任前社長答えず・高額の役員報酬不満、会社提案のみ可決『茶番だ』」として「株主からは、経営不振を招いた時期から在籍する社外取締役の責任を問う声や、高額報酬への不満が噴出した」などと伝えている。

そして、日経は「日産、逆風の再出発」。「2025年4~6月期の連結営業損益は2000億円の赤字(前年同期は9億9500万円の黒字)になる見通しだ」としつつ「米国の関税政策も受けて深刻な業績不振が続いており、株主の不信を払拭するためには再建計画の早期実行が求められる」などと取り上げている。

経営再建中の日産の株主総会は当初から「波乱含み」の筋書きが予想されていたが、出席した株主の顔ぶれをみれば、往年の『ブルーバード』や『スカイライン』などを乗りこなしてきた“日産愛”の年配者が多く詰めかけていたのも事実であり、どん底からの再生を期待する株主たちが、無配転落などの鬱積した不満やストレスを晴らす“はけ口”にもなっていたようにも見受けられた

日産自動車が24日に開催した株主総会日産自動車が24日に開催した株主総会

2025年6月25日付

●イスラエル・イラン「停戦」トランプ氏、発表後も攻撃欧州、「合意違反」自制求める(読売・1面)

●日産新体制苦難の船出、業績不振、社長「深くおわび」株主総会 (読売・11面)

●公道カート事業所新設届け出、渋谷区が義務化へ(朝日・17面)

●3人が交通安全大使に、タイムマシーン3号・ゆうちゃみさん (朝日・17面)

●ドキュメント2025日産去って20年街はいま、東京・武蔵村山(朝日・25面)

●ジャパンモビリティショー、136社出展へ (産経・8面)

●ETC障害、中日本高速社長ら報酬返納 (東京・4面)

●日鉄米社買収期待と不安、株主総会「経営に自由度」強調(日経・15面)

《福田俊之》

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