2025年2月に東京ビックサイトで開催された「国際オートアフターマーケットEXPO2025」(2月26日~28日)、続いて6月に開催された「第38回 オートサービスショー2025」(6月19日~21日)にツールプラネットが出展。OBD車検やEDRなど、変化の時期を迎えているスキャンツールの世界で業界をリードするアイテムやソフトを出展し多くの来場者を集めた。
参考出品の「TPM-DDA」に注目、近年必須となるEDRの解析にいち早く対応するスキャンツール

近年注目を集めるEDR(イベント・データ・レコーダー)、そのひとつの回答としてツールプラネットが参考出品したのが「TPM-DDA」(参考出品)だ。昨年はプロトタイプとしてお披露目され、その後はブラッシュアップを続け、ほぼ製品版に近い形で実機デモが可能な状態まで完成度を上げての展示となった。

「TPM-DDA」はEDRをメインにしつつ、診断も可能な多機能スキャンツールとして設計されている。機能面では事故前後(衝撃感知から前後5秒間)の車両情報が記録される、EDRの読取り機能を備えているのが最大の特徴だ。車両のOBDと接続することで、過去に起きた異常検知のデータを見ることができる。実機デモでは「TPM-DDA」とタブレット端末をBluetooth(以下BT)で無線接続して、事故前後のデータを細かく見ていく実演が実施された。

急ブレーキやTRC(トラクションコントロール)の作動、急激なアクセル開度やエアバッグの展開、さらには衝突時の状況(前面衝突/側面衝突など)を分析することができるイベントデータを読取ることができる。アクシデントが発生した際にクルマがどのような状況であったのかを時系列で確認することもできるなど、事故の解析には非常に有効なスキャンツールとなるだろう。

損害保険会社での活用やさらには警察でも有用性を認められていることから、急拡大が予想されるEDR対応のスキャンツール。さらに板金を手がける工場でも、事故の時点でどちらの方向からボディに力が加わったかを分析できることからボディ修復時に参考にもなるなど、今後は多岐にわたる活用法が見込まれているスキャンツールだ。
また「TPM-DDA」はコンパクトな本体なので損保会社のアジャスターが現地に持ち出して事故車両のデータを吸い上げてくるなど、機動性の高い活用方法が想定されているのも大きな魅力だろう。
ツールプラネットでは損保会社などの想定利用ユーザーから聞き取りを進め、より使いやすいメニュー構成や階層、表示スタイルなどをブラッシュアップしているところ。すでにシステムの中身はでき上がっていることから、発売前の最終調整中だ。EDRを利用するユーザーにとっては魅力的な「TPM-DDA」、発売が待たれるスキャンツールとなった。
無料アプリの「EASY Report Plus」の活用で、接続後のデータ書き出しを簡単管理!

もう1つの注目ニュースが、ツールプラネットのスキャンツールと接続して利用できるサポートアプリである「EASY Report Plus」だ。AndroidおよびiOSに対応したアプリ(無料)をタブレット端末やスマートフォンにダウンロードして利用する。機能は診断結果のレポート作成、スキャンツールの遠隔操作、診断結果のデータ保存などができる。ツールプラネットのスキャンツールをBTで無線接続することができるので、データ整理や車両診断レポートの作成を一括管理できるのも魅力のサポートアプリだ。

使い方も非常に簡単で、専用アプリならではの現場での使用手順を考えられた設計なのも魅力だ。例えば車両情報の登録はタブレットやスマホのカメラで車検証のQRコードを読み込むだけでOK。カメラで読み取ることの難しい、オドメーターの数値など一部の手入力のみで完結する。搭載している独自のデータベースから、車体番号と車名を自動的に紐づけて登録される仕組みになっているのも非常にスマート。

さらに診断結果のレポート作成も、ボタン操作のみで進められる。BTで無線接続したスキャンツールで診断した車両のデータを使ってレポートを作成、順にボタン操作を行うだけで証明書の作成からデータの送信/印刷/保存なども簡単に行うことができる。データはメール送信ができるので、そこから端末上でLINEへ転送するなど幅広い対応力も魅力だ。

さらにツールプラネットのスキャンツールは、EASY Report Plusからリモートコントロールできるのも魅力。機能の制約は一切無く、スキャンツールの備えているすべての機能をEASY Report Plusからコントロールできる。さらに周辺のBT機器の中からツールプラネットのスキャンツールだけを判別して表示するため、余計な機器が接続一覧に表示されることもなく接続作業もスピーディだ。ツールプラネットのスキャンツールを使っているユーザーなら、今すぐダウンロードして使用したいサポートアプリだ。
OBD検査に最適化、NanoWINの製品版がついにお披露目

またブースにはOBD検査専用のスキャンツールである「nanoWIN」(製品版)も展示された。本体とPCやタブレットなどの端末にはBTで無線接続できるのが魅力。もちろん従来の有線接続にも対応する。次世代通信であるDoIPへの対応など、使いやすさと今後の拡張性を備えたモデルとなった。
さらに出力結果に対して、ペイント機能を利用できるのも利便性が高い。例えば診断結果の異常部分をマーキングするなど、レポート作成時に診断結果をわかりやすくすることも可能。有料オプション(Windows)を用いれば、ADASのキャリブレーションが「エーミングモード」として利用可能になる拡張性も魅力。スキャンツールに加えて、特定整備にも使えることも魅力だろう。

ツールプラネットブースにはその他にも、同社の代表的なスキャンツールである「TPM」シリーズを展示。「TPM-7」「TPM-6」「TPM-3」といった各スキャンツールも紹介され、ユーザーニーズに合わせた機能を選べる多彩なラインアップもアピールした。
「TPM-7 OBD Plus」が登場!OBD車検から通常整備まで手厚くサポート

IAAE2025に続いて、6月19日から21日に東京ビッグサイトで開催された「第38回 オートサービスショー2025」に出展したツールプラネット。新たにお披露目された「TPM-7 OBD Plus」は、すでにスキャンツールとして人気モデルとなっているTPM-7を進化させ、Bluetoothによる無線接続でPCに接続できるようになったことで作業性をアップさせたのが特徴だ。

TPM-7 OBD Plusでは故障診断の基本機能を備えエーミングモードやバッテリーテスト、DPF再生機能なども含めた多彩な機能を搭載しているのも特徴。さらに対応車種の幅広さも注目点となる。国産乗用車8メーカー、国産トラック4メーカー、さらに輸入車7メーカーに加え、スーパーカーも4メーカーに対応する。
普段使いする上で便利な機能を備えているのもTPMシリーズの特徴で、素早い作業をサポートする。またブレーキフルードのエア抜きや電動パーキングブレーキリリース、バッテリー交換などを素早く行うためのメンテナンスモードも備えている。
付属としてOBD検査専用機である「NANO-LC」も用意。こちらはPC(Windous11インストールのパソコンまたはタブレット)とUSB接続するタイプの車検専用のスキャンツールで、OBD車検を行う場合にはこちらを使った手軽でスピーディな車検対応も可能にした。

またツールプラネットのサポートアプリであるEASY Report Plusを使った診断結果のレポート化にも対応。診断結果のレポート作成はもちろん、スマホを接続してスキャンツールをリモート操作することも可能になるなど、スキャンツールをより使いやすくすることができる専用アプリとなった。
進化を続けるスキャンツールの世界で、時代のニーズに合わせた製品をラインアップするツールプラネット。作業性の向上や利便性を高めるには、ツールプラネットのスキャンツールを導入するとよいだろう。
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