フォルクスワーゲングループのソフトウェア開発部門のCARIADは、フラウンホーファーデジタルメディア技術研究所(IDMT)と共同で、車外マイクロフォンを活用した音響認識技術「ヒアリングカー」の開発を進めていると発表した。
この技術は、車両周辺の音を感知・分析することで、自動運転車の安全性向上や新たなユーザー体験の創出を目指している。開発の多くの部分は、より大規模な研究プロジェクト「KI4Boardnet」の一環として進められており、現代車両の電気・電子アーキテクチャにおける車外マイクロフォンの重要性を強調している。
CARIADとフラウンホーファーIDMTは今年初め、スウェーデンのテストコースでマイクロフォンと測定システムの実証実験を実施した。雪氷から高温多湿まで様々な条件下での路上テストデータの初期分析結果は有望だという。
車外マイクロフォンは、車両周辺の膨大な種類の音を感知する。科学プラットフォーム「Wiki.Audio」によると、交通量の多い道路の中心から5m離れた歩道上の歩行者が体験する騒音レベルは約80デシベルに達する。