フォルクスワーゲンは、ミニバン『マルチバン』とキャンピングカー『カリフォルニア』向けに、新しいプラグインハイブリッド4WDシステム「eハイブリッド 4MOTION」を開発したと発表した。
このシステムは、ミニバンおよびキャンパーバン分野では他に類を見ないもので、電動走行、最適な長距離適性、最大トラクションという3つの駆動特性を融合している。
これまでミニバンやキャンパーバンには、技術的特徴や走行性能を犠牲にすることなく、これらのパラメータを組み合わせた駆動システムは存在しなかった。新しいプラグインハイブリッド4WDシステムにより、これが実現された。

マルチバンとカリフォルニアのeハイブリッド 4MOTIONは、日常使用において電動モードでキャンプ場を静かに走行できる。同時に、ハイブリッド駆動により長距離走行も可能だ。4WDシステムは、後輪駆動や前輪駆動車では時として不足する、ぬかるんだ地面や冬季における正確なトラクションを発揮する。
このシステムは、2つの電動モーターと新設計の高性能TSIガソリンエンジンを効率的に組み合わせることで実現している。新しいeハイブリッド 4MOTIONシステムは、多用途に適したフォルクスワーゲンバスの理想的な駆動タイプという。
電動走行では、マルチバンとカリフォルニアはプラグインハイブリッドモデルとして電動4WDで始動する。前後のアクスルをそれぞれ1つの電動モーターが駆動し、両モーターが最適な発進性能とトラクションを確保する。19.7kWhの容量を持つバッテリーにより、フル充電時には最大95kmの純電動走行が可能だ。

ドイツ連邦デジタル・交通省の調査によると、全車両走行の95%が50km以下であることから、電動モードでの走行ニーズを十分に満たしている。電動モードでは最高130km/hまで走行可能で、ハイブリッドモードでは最高200km/hまで対応する。
電動定置エアコンも標準装備されており、充電中、駐車中、キャンプ中に冷房、換気、暖房機能を提供する。外部電源使用時は最大30分間、高電圧バッテリーのみでは10分間作動する。
ハイブリッド走行では、バッテリーに十分な充電がある場合、常に電動で始動する。ただし、極低温時は例外。ハイブリッド戦略は、高電圧バッテリーの電気エネルギーを優先的に使用するよう設計されている。走行状況と走行プロファイルに応じて、130km/hまでは前部電動モーター(85kW/110ps)で、必要に応じて後部電動モーター(100kW/136ps)も使用される。

130km/h以上では、エネルギー消費を経済的にするため、リアアクスルは自動的に駆動システムから切り離され、後部電動モーターは停止される。1.5 TSI evo2高性能ターボガソリンエンジンは、130km/h以上でキックダウン機能使用時やバッテリー充電レベルが不十分な場合に作動する。
4WD走行では、eハイブリッド 4MOTIONシステムのパワー配分は電子安定制御(ESC)により可変制御され、駆動状況やアクスルでのトラクションに応じて、最大100%の駆動力をフロントまたはリアアクスルに向けることができる。バッテリーが空の場合でも電動後輪駆動は利用可能で、必要な電力はTSIエンジンと前部電動モーターにより自動生成される。