謎の八王子街道、制限1.8mの低いガード…横浜市保土ヶ谷区、相鉄線・上星川~西谷

横浜市保土ヶ谷区、相鉄線・上星川~西谷、川島陸橋架道橋:制限1.8m
横浜市保土ヶ谷区、相鉄線・上星川~西谷、川島陸橋架道橋:制限1.8m全 6 枚

鉄道が道路の上を越えるガード。桁下の低いガードを見つけたら記事にしているが、「重要な道路でもないのに記事にするな」というお叱りコメントをSNSでいただいた。

【画像全6枚】

「重要でない」という点は仰せごもっとも。交通量があったら改築されるか別ルートが開通しているはず。へえ、こんな道があるんだ、と面白がっていただければ……。

横浜市の保土ヶ谷区西谷3丁目、相模鉄道・上星川~西谷間にあるガードには制限高さ1.8mの表示。実際の高さも標識の高さから掛け値し、余裕なしで、米ドジャースの大谷翔平選手だとおでこがぶつかる。日本のジャイアンツの甲斐拓也選手ならヘルメットを被っていても、ゆっくり歩くならぶつからずに通れそう。

ガードがある場所は、相鉄線の線路が、帷子(かたびら)川の支流の菅田(すげた)川の谷を渡るために築堤を走っている区間だ。ガードの名称は、現地に表示は見当たらなかったが、横浜市の資料では川島陸橋架道橋となっている。

ガードの下の道は「旧八王子街道」だ。幕末に開国した日本では生糸が重要な輸出品目になり、生糸の集散地であった八王子と輸出港の横浜とを結ぶ道路が整備された。これが八王子街道だ。新生日本の貿易に貢献する重要な道路なので、築堤と交差する地点にガードを設けた。当時は大型車両の交通はなかったので、桁下が低くても問題なかった。……と、考えたくなるが少し違う。

1926年に現在の相鉄本線が開通した時点で、ガードの下はすでに八王子街道の旧道になっている。1900年前後に現在の大六天通りが開通しているのだ。旧道より幅が広く、カーブが少なく、勾配も緩やかだ。さらに1901年には現在のJR横浜線が開通し、貨物列車で生糸の輸送が始まっており、八王子街道の重要性は小さくなっていたはず。おそらくガード下の道は八王子街道として整備される前から存在しており、生糸の流通の増減に関わらず、地域内の交通を担っていたのではないか。

横浜市保土ヶ谷区、相鉄線・上星川~西谷。普通に通行できる公道から撮影。脚立や銀箱や延長棒は使っていない横浜市保土ヶ谷区、相鉄線・上星川~西谷。普通に通行できる公道から撮影。脚立や銀箱や延長棒は使っていない

令和の時代、自動車でのアプローチは国道16号が便利で、これが八王子街道の現道になる。横浜市中心部からだと環状2号をくぐって400mほど、妙福寺交差点から左へ降りていく狭い道が旧八王子街道で、左折すればガードが目に入る。旧街道もいまや生活道路で、交通量は少ないものの路上駐車の余地はない。下車して観察するなら、コインパーキングがガードから徒歩5分程度の場所に複数あるので利用しよう。公共交通機関でのアクセスは西谷駅下車、北口から16号を回るか、南口から住宅街を抜けるか、いずれも徒歩10分ていど道のりだ。

相模鉄道では、同じ保土ヶ谷区内の西久保町の、駅だと西横浜~天王町にある今井川右岸のガードも制限高さ2.0mで低い。実際の高さには若干余裕があり、大谷選手がヘルメットを被ってくぐっても大丈夫だ。


■大谷選手ギリギリ
制限高さ1.85mの低いガード、元は道路ではなかった?…南千住~北千住
https://response.jp/article/2025/06/12/396928.html

《高木啓》

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