トヨタ『プリウス』の高音質化を目指した吉村さん、広島県のM.E.I.でスピーカー、サブウーファー、DSPアンプをシステムに加え、iPadによる音楽再生にこだわってショップと相談を開始し、ホルダーをワンオフすることで思い通りの使い勝手を手に入れることになった。
◆音楽プレイヤーとして“iPadを使いたい”
そんなユーザーのニーズを汲み取った加工を実施
セキュリティの取り付けがきっかけで出会ったM.E.I.で、プリウスに乗り始めてからの懸案だったオーディオの高音質化をスタートさせた吉村さん、前編でお伝えした通りスピーカーとDSPアンプを選ぶシステム組みや、さらにはスピーカーのインストールスタイルが決定。次のテーマはオーディオ再生の音源に何を使うかだった。
「自分としては普段から使っている音楽ストリーミングを使ったり、使い方にも慣れているのでiPadを使って車内でも音楽再生がしたいと思ったんです。しかしiPadは車載機器ではないですからショップでは反対されるのでは? と思ったんですが、すごく柔軟に受け入れてもらって良かったです。」
M.E.I.ではiPadを使ったシステム構築の提案を行うなど、ショップ側のお仕着せではなく、吉村さんの意向に沿った音楽再生システムをどのように構築するかを提案することになる。
「プレイヤーに使うことは決まったのですが、iPadをどのようにクルマに固定するかも課題でした。そこでセンターコンソールにiPadの固定用のホルダーをワンオフで作ってもらうことになりました。これは視認性も操作性も抜群で、非常に良かったです。またヘリックスのコントローラーも脇に取り付けるなど、ここだけで音楽再生の集中コントロールができるようになったのも使いやすさに寄与しています」
◆間もなくするとシステムアップの興味が芽生え
ミッドレンジを追加したフロントを3ウェイ化する
こうしてiPadを音楽プレイヤーに据えることに決定、加えて前編で紹介したヘリックスのDSPアンプを介してモレルのスピーカー、グラウンドゼロのサブウーファーをドライブするシステムが完成した。間もなくシステムの取り付けが完了し、待望の試聴の時間となった。
「インストールが完了して初めてプリウスで音楽を聴いた瞬間、特に強く感じたのはボーカルが目の前の空間に浮かび上がっていることでした。音が立体的で純正とは別ものでしたし、さらに各部のデザインもかっこよくて気に入りました」
オーディオの知識があまりない中、ショップのスタッフと二人三脚で作り上げたオーナーにとっての初の本格オーディオだったが、サウンド面やデザイン面を含めて十分に満足いく仕上がりになったようだ。しかし、時間が経つにつれてステップアップへの興味が強くなる。
「オーディオをインストールしてからカーオーディオ関連のYouTubeもよく見るようになりました、そこでフロント3ウェイのシステムやデッドニングなどが紹介されていたので気になりました。すごく興味を惹かれたので、意を決して3ウェイ化とデッドニングを実施することにしました」
スピーカーは当初から3ウェイ化も視野に入れたモレルのイレイトカーボン62Aを選んでいたこともあって、ミッドレンジを追加することでムダなく3ウェイ化することができた。さらにチャンネル数が不足するDSPアンプに関しては、クオリティアップも合わせてヘリックスのP-SIX ULTIMATEを組み合わせるシステムに変更する。
「最初のシステムでかなりオーディオや音のことも理解できてきたのですが、フロント3ウェイのシステムが完成すると、立体感がより際立ち、素晴らしい音になりました。ドライブ中も好きな音楽を常に再生しているのですが、音楽のリアル感が強くてふと現実から離れる瞬間があるほどの音に仕上がっていました」
すっかりオーディオに魅了された吉村さんは、セカンドカーにもオーディオを組むなど、クルマには高音質オーディオが欠かせなくなった。
◆取っつきにくいプロショップのイメージを払拭し
何でも話せる信頼の置けるショップになっていく
高音質化を果たしたプリウスは現在、通勤からファミリー利用までオールマイティに活躍している。普段使っているiPadを音楽プレイヤーにしたのも使い勝手が良くてお気に入りだ。
「ワンオフしてもらったiPadのホルダーはマグネットによる固定なので、iPadの脱着も簡単で、すごく気に入っています。普段のドライブではYouTubeミュージックをバックグラウンド再生して聴いています。良い音が常に楽しめる環境が良いですね」
振り返ってみるとM.E.I.でオーディオを組んで良かったと思うことも多いようだ。
「オーディオプロショップは初めてでしたが、オーディオを組む前にショップのWebも調べたところ、ブログもしっかり更新されており、コンテストなどでも実績のあるショップだったこともあり、こうして信頼感が生まれたんです。しかし最初はプロショップの会話のレベルが高くて自分にとっては話しづらいのでは?といったイメージもありました。しかし行って話してみるとスタッフはすごく気さくで、色々な相談にのってくれたのですごく助かりました」
愛車の音の進化から、あらためてM.E.I.に対する信頼感を強くした吉村さん、3ウェイ化の次のシステムアップとしてフロント4ウェイ化も計画中。フィーリングの合うプロショップと出会い、思い通りのシステムアップを続ける吉村さんとプリウス、まだまだオーディオ的な進化の途中であり今後が楽しみなクルマになった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。