山梨県北杜市にある複合観光エリア「萌木の村(もえぎのむら)」を起点に7月12日と13日、「THE清里RUN エシカルミーティング2024夏」が開かれ、旧車や名車の展示や八ヶ岳の高原を巡るツーリングなどが行われた。
同実行委員会の主催。代表の根本純さんは日本人としてパリ・ダカールラリーに初挑戦し以降13回出場などの経歴を持つプロドライバー。クルマ文化と環境の共存を目指すツーリングイベント「THE 山梨RUN」「THE 銀座RUN」など精力的に開催している。萌木の村内にはラリードライバーの故・篠塚健次郎氏が家族と営むペンション「La VERDURA(ら・べるでゅーら)」があり、「ラリー仲間として清里を魅力あるクルマの聖地に」と2022年から始まった。
今回も東京都国立市に本拠を置く旧車クラブ「オートモビルクラブジャパン(ACJ)」(是枝正美会長)や萌木の村の舩木良さんらがバックアップした。
12日はAZ山梨サーキット(山梨市)でのスポーツカート体験や、明治・大正・昭和時代の校舎が並ぶ「三代校舎ふれあいの里」(北杜市)での給食スタイルランチ、萌木の村での前夜祭などで大盛り上がり。13日は参加者による内外のクラシックカーや現代のスポーツカーなどの展示を行った後、締めくくりの高原ツーリングへと向かった。
展示、ツーリングともに、エントリーしたのは興味深いクルマばかり。オーストラリアでフルレストアし右ハンドルとしたMG『AMG-A』(1957年)や、希少なアルファロメオ『アルフェッタ』GTと『2000ベルリーナ』(1975年)、プラスアースのままダイナモで走っているというトライアンフ『TR3』(1959年)、ラリーやレースで活躍したランチア『フルビア』クーペ(1972年)が2台並んだのも珍しかった。
埼玉から高速道路を使い、長野県佐久穂町~清里と観光しながら走って来たというシトロエン『GS』(1975年)のオーナーは、「驚異の直進安定性と、とろけるような乗り心地。走りだすと止まりたくない車です」とにんまり。「あと空冷エンジンなので、比較的涼しかったです」と、婦人と共にドライブを満喫した様子だった。
また、塚建次郎さんのペンションでの朝食やDVD鑑賞が印象的だったという、初代スバル『レオーネ』エステートバン4WD(1978年)で参加したオーナーは、「ツーリングは森の中から景色が開けるような信号のあまりないルートもあり、高原の風を受けて水温は通常。燃料も減らず快適でした」と満足そうだった。
2日間とも好天に恵まれ、日差しは強いものの標高が1200m~1300mという高原にあって、一度走り出すと車内に爽やかな空気が吹き込むワインディングドライブは、各ドライバーに好評。根本純さんは「Rallyの語源は再び集まるにあります。この地をヒストリックカーの聖地にすべく毎年充実感アップで、2日間笑顔が絶えない主催者冥利でした」と話していた。