「デッドニング」をDIYでやる場合のコツを公開![イン・カー・リスニング学…スピーカー編]

制振材は、とにもかくにも“圧着”が命だ。
制振材は、とにもかくにも“圧着”が命だ。全 3 枚

「ドライブと音楽はセット」、そう考えているドライバーに向けて、その音楽を今よりもっと良い音で楽しむためのポイントを全方位的に解説している当連載。今回は、「デッドニング」をDIYで行う場合のコツを紹介していく。

◆「デッドニング」とは、ドア内部の音響的なコンディションを上げるための作業!

さて、これまでの記事でも解説してきたとおり、カー用のスピーカーは売られている状態ではまだ半完成品の状態だ。クルマに取り付けて初めて「スピーカー」として完成する。

そのため、スピーカーの取り付け作業は、いわば、「スピーカーを作る作業」となる。で、その作業のハイライトとなるのがデッドニングだ。これを実行することでドア内部の音響的なコンディションを整えられるため、スピーカーとしての完成度を向上させることができる。

ところでデッドニングは、DIYにて実行されることも少なくない。プロに任せた方が確実だが、作業には特殊な工具も特に必要なく難しい加工作業も伴わないので、やってできないことはない。

ただし、心得ておくべきコツがいくつかあるので、それらを紹介していく。

内張りパネルは、持ち上げるように力を加えると外れる場合が多い。内張りパネルは、持ち上げるように力を加えると外れる場合が多い。

◆内張りパネルを上手く外すには、構造を把握できるか否かが鍵となる!

なお、全体の工程の中で最も難度が高いのは、ドアの内張りパネルを外す作業だ。もちろん、効果的に仕上げるためにはどの工程においても経験が必要で簡単ではないのだが、内張りパネルを外す作業は失敗すると、最悪パネルを買い直すこととなるわけで、その意味でも慎重を期すべき作業となってくる。

で、この難関を乗り越えるには、パネルがどのように固定されているのかを正しく把握することが肝心だ。ネットで検索するか、ディーラーで確認するなどして情報を得て、隠しネジをしっかり外した上で、慎重かつ大胆に剥がし取ろう。

次に、鉄板の脱脂作業に進む。ここでは「丁寧に行うこと」が鍵となる。特に、サービスホールが開いている場合にはそこにビニールシートが貼られていて、それを留めているブチルゴムをしっかり除去することがポイントとなる。頑固についているのでキレイに取り除くには根気が必要だが、確実に取り除かないと部材がしっかり貼り付かなくなる。

黒い固まり状のものがブチルゴムだ。最初はヘラで取り、残った分はガムテープでくっつけて取り、最後はブレーキクリーナー等のケミカルを使って落としていこう。黒い固まり状のものがブチルゴムだ。最初はヘラで取り、残った分はガムテープでくっつけて取り、最後はブレーキクリーナー等のケミカルを使って落としていこう。

◆「左右同一に仕上げる」ことが大原則。そして「圧着」もキーポイントに!

鉄板の脱脂をしっかりと行えたら、次に、制振材の切り出し作業に進む。その際には「左右で同一の部材を用意する」ことがポイントとなる。なぜなら、スピーカーは左右で同一でなければならないからだ。

そうでないと左右で鳴り方が違ってしまうのでステレオの仕組みが正しく機能し難くなる。なのでデッドニングにおいても、左右でやり方を変えてはいけない。ゆえに、どこにどう貼るかを考えたら、各部材を2枚1組で切り出そう。

サービスホールを塞ぐための部材は、左右で形が対称になっている必要がある。左右で前後が逆になるからだ。なので型紙を作ったら右と左で型紙を裏・表で使いわけよう。そうすれば、前後が逆の形で部材を切り出すことができる。

さらに、ポイントがもう一つある。それは「部材をしっかりと圧着すること」だ。ヘラや小型のローラーを使って、ゴシゴシと押さえながら貼っていこう。そうすることで、制振効果が高まり、耐久性も向上する。

今回は以上だ。次回からは、「ツイーター」の取り付けに関連した事柄について説明していく。お読み逃しのなきように。

《太田祥三》

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