来たる9月24日、オンラインセミナー「【池田直渡の着眼大局セミナー】第9回 トヨタ調達本部長が語る、サプライチェーン」が開催される。セミナーに登壇するのは、トヨタ自動車株式会社 調達本部 本部長の熊倉和生氏だ。
セミナーのモデレーターを務めるのは、自動車ジャーナリスト・自動車経済評論家の池田直渡氏。クルマのメカニズムと開発思想、企業戦略に対する鋭い洞察力を持ち、幅広いメディアで健筆をふるっている。
セミナー当日は、熊倉氏によるプレゼンテーションに加え、池田氏の視点を交えた議論の深堀りや、視聴者とのQ&Aセッションの時間も用意されている。
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今回のセミナーは以下のテーマで進められる。
1.トヨタの調達本部、サプライチェーンとは?
2.真の原価低減とは
3.取引適正化とサプライチェーン全体への浸透に向けた取組み
4.業界全体の仲間たちと、個社を超えて何をしていくか
セミナーの見どころを熊倉氏に聞いた。
“適正価格”と“競争力”のバランス
トヨタの調達部門は、アメリカ、欧州、中国、タイ、インド、インドネシア、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカに拠点があり、グローバルで調達ネットワークを持つ。
日本の調達本部は、スタッフ業務を行う「サプライチェーン戦略部」「調達技術・プロジェクト推進部」と、バイヤー業務を行う「ボデー部品調達部」「ユニット部品調達部」「資材・設備調達部」「電池調達部」で構成されている。
2023年実績で発注金額はグローバルで約30兆円、日本国内の部品取引で約7兆円にのぼる規模となった。約400社のティア1サプライヤーだけでなく、ティア2からティア4も含めると、のべ約6万社が仕入先として関わっている。

調達の取り組みにおいてトヨタが重要視するのは、“適正価格”と“競争力”のバランスだ。その根本には、「サプライチェーン全体の競争力ある基盤づくりを通じて、産業全体の未来、経済の好循環に貢献していきたい(価格転嫁について、ティアの深いところまで含めた、サプライチェーン全体への浸透に強い意志をもって取り組みたい)」という想いと、創立者である豊田喜一郎氏の言葉を軸とする「仕入先との共存共栄」の考え方がある。
注目したいのは、創業時から一貫した信念と取り組みの継続があるということだ。トヨタは、米国関税など直近の国際情勢に対して「揺るがず、ぶれずに対応していく」としており、熊倉氏も「それは皆でこれまで培ってきたベースがあるからできること」と話す。
“価格改定”はどのようにして行われるのか
トヨタが行う価格改定は、下記6つの内容を一社ずつ直接協議し、来期の価格を決定するというものだ。
①原価低減
②材料費
③エネルギー費
④物流24年問題
⑤人への投資
⑥個別申請費