ホンダN-ONE e:の“ガチ対抗”はサクラ、eKクロスEV。同じ“低背×軽”という世界観ではアルト、ラパンが広く刺さる。総額200万~250万円の争点では、軽の上位グレード群や、コンパクトカーが「ガソリンorハイブリッド vs EV」の価値観でぶつかる。
ホンダは9月12日、軽自動車の電気自動車(EV)、『N-ONE e:』(エヌワンイー)を発売した。価格はベーシック仕様の「e: G」が269万9400円、装備充実仕様の「e: L」が319万8800円。国および自治体の補助金を活用すれば、それぞれ約200万円、約250万円程度となる見込みだ。
軽EV市場は、すでに日産『サクラ』や三菱『eKクロスEV』が先行しており、N-ONE e:はこの2車種が最大のライバルとなる。いずれも国の補助金(約57万円前後)を前提に、実質的な購入価格を200万円前後に抑えており、軽EVとしての使い勝手や航続距離、充電利便性が競争軸となるだろう。
ボディサイズ面では、全高1545mm前後の「低背ハッチバック系」軽自動車も比較対象だ。具体的には、スズキ『アルト』や『ラパン/ラパンLC』などが挙げられる。これらはガソリン車ながら、N-ONE e:と同等のパッケージングとデザイン性を求める層に訴求している。

また、価格帯という観点からは、200万~250万円で購入可能な軽自動車上位モデルも競合する。ホンダ『N-ONE RS』(ガソリン)や日産『ルークス』、スズキ『スペーシア/スペーシアカスタム』などが該当し、動力源の違いを軸に選択が分かれる。
さらに、軽自動車の枠を超え、同価格帯のコンパクトカーも比較対象に入れていいかもしれない。。トヨタ『ヤリス』、スズキ『スイフト』、マツダの『マツダ2』、トヨタ『アクア』、およびコンパクトSUVのトヨタ『ライズ』などが代表例だ。燃料代や航続、メンテナンスコストなど、総所有コストを重視するユーザーにとって、EVとハイブリッド/ガソリン車の選択は今後の焦点となるだろう。
軽EVのラインアップが広がることで、ユーザーは走行性能・デザイン・環境性能のバランスを重視した選択が可能になる。ホンダN-ONE e:の登場は、軽自動車EV市場の拡大を後押しする契機となるか。