東京都臨海部でりんかい線(大崎~新木場)を運営する東京臨海高速鉄道は、10月1日より新型車両『71-000形』の営業運転を開始した。
初運行は東京テレポート駅16時7分始発新木場行で、出発式には西倉鉄也代表取締役社長やキャラクター「りんかる」が登壇し、テープカットが行なわれた。
●全編成更新へ 安全・安定・安心輸送を推進
71-000形(ななまんいっせんがた)は、開業時から使用されてきた『70-000形』(ななまんがた)を順次置き換える新世代車両だ。2025年度下期から導入を進め、2027年度上期までに70-000形と同数(保有車両全数)の8編成80両の投入を予定している。
西倉社長は式典で「2026年3月に開業30周年を迎える節目に向け、新型車両は新たなステージを象徴する存在」と述べた。さらに「臨海新都心ではトヨタアリーナ東京の開業やODAIBAファウンテン(仮称)整備が進む中、公共交通機関としての使命を果たしていく」とコメントした。
●エクステリア:“優しい微笑み”と水辺の彩り
外観は従来車の丸みを継承しつつ、海や波をイメージしたひさし形状を採用。前面カラーは「優しい微笑み」をテーマとし、側面にはエメラルドブルーのグラデーションを配して東京湾の水辺を表現した。
●インテリア:都市景観を意識した洗練デザイン
車内はホワイトを基調にグレーとネイビーを配色。木目柄の化粧板で従来車の面影を残しつつ、都会的で落ち着いた雰囲気とした。座席はグレーとブルーのブロック柄、優先席はピンク基調とし、全体に開放感を持たせている。
●安全・快適性を高めた新仕様
先頭部に衝撃吸収材を設け、構体剛性も強化。列車情報管理装置の二重系化で輸送の安定性を向上した。全車両に防犯カメラと通話式非常通報装置を備え、セキュリティ面も強化している。
また、床面を50mm下げてホームとの段差を低減。フリースペースの全車設置、吊手・荷棚の低位置化など、バリアフリー性を高めた。
車体幅は150mm拡大され、座席幅も一人あたり10mm広げて混雑時の圧迫感を軽減。大型袖仕切りと柔らかな照明により、より快適な空間を実現した。空調能力は約20%向上し、カビや花粉の抑制機器も搭載する。