透明感と耐久性を両立したセラミックス素材を新開発、EVやFCVなど向け…第一稀元素化学

新規開発品を使用したセラミックス焼結体
新規開発品を使用したセラミックス焼結体全 1 枚

第一稀元素化学工業は10月21日、セラミックスの材料として、カルシア安定化ジルコニア材料「DURAZR-Sシリーズ、製品名:HSY-0774」を新開発したと発表した。

新規開発品を材料として製作されたセラミックス製品は、DURAZR-Sシリーズとしての高い耐久性を維持しつつ、高い透明感を発現する。この高い審美性により、宝飾部品等への使用が期待されている。

安定化剤として使用するカルシアは、調達が容易な一方、通常のセラミックスの高い焼結温度では機能を維持できず、本用途への活用が難しい素材だった。新規開発品は、同社独自のATEDZ技術により、通常より約200度低い温度での低温焼結を実現する。これによりカルシアを原料として使用することが可能となった。

新規開発品は、産出国が限られるレアアースを使用せず、加えてジルコニウム原料についても自社サプライチェーンによる安定調達が可能なことから、安定した供給が可能という。

DURAZR-Sシリーズとしての高強度を備え、構造体のより一層の小型化・薄膜化に貢献する。加えて、ジルコニアセラミックスの使用が不向きとされていた環境下(100度程度の温度)でも亀裂等が発生しにくい水熱劣化耐性を備えており、高い耐久性を持つセラミックス製品が製作可能だ。

加えて、新規開発品の組成を最適化することで、セラミックス製品の透明度を高めることに成功。HIP焼結を維持しつつ、高い透明感を発現する。

同社では2023年1月より、同シリーズ「製品名:HSY-0480」を販売している。同製品は、シリーズの特長に加え、安定化剤にレアアースを使用せず、熱水環境下でも劣化しない水熱劣化耐性を実現している。本製品で製作されたセラミックス製品は、半導体製造装置をはじめとする産業機器関連、ネジやボルトなどの各種構造部材、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)の自動車産業など、広範な用途での利用が見込まれている。

《森脇稔》

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