小糸製作所(KOITO)は、東京ビッグサイトで開催されるジャパンモビリティショー2025に出展すると発表した。
創業110周年を迎えたKOITOは、「光」でモビリティ社会の安全・安心に貢献してきた。本展示会では2030年に向けた「KOITO VISION ~人と地球の未来を照らす~」に基づき、次世代モビリティ社会の安全・安心に向け、「ライティング」「センシング」「コミュニケーション」の3つの軸で「光」の可能性を追求し、宇宙に広がるKOITOの最先端技術を紹介する。
「まぶしくないハイビーム」であるADB(ハイビーム可変ヘッドランプ)の最新技術「高精細ADB」をデモンストレーションで紹介する。高精細ADBは、1万6000分割のLEDを個別に制御することで、従来のADB(12分割)に比べ、対向車や前走車に対するハイビームの消灯範囲を最小にし、ドライバーの夜間走行時の視界を最大化する。
また、歩行者にもまぶしさを与えないよう、ハイビームを減光したり、道路標識の反射を抑えるよう、光量をきめ細かく調整するなど、より精密な配光制御を可能にする。JMSでは、来場者にドライバーと対向車の目線の両方から、その「うれしさ」を体感してもらう。
寒冷地ではランプへの雪や氷の付着が視認性の低下や安全性確保における課題となっている。同社はこの課題を解決するため、ランプ表面を温めて氷雪を溶かす融雪機能を備えたリアランプをトラック向けに開発・提供している。
JMSでは、ヘッドランプへの融雪機能の搭載拡大に向けて、車両のスタイリングを損なわない、薄型の「融雪ヘッドランプ」を新たに開発し、世界初公開する。
また、デンソー、株式会社J-QuAD DYNAMICSと協業して、「交通事故ゼロ社会」の実現を目指し、車両の安全性能技術の向上に取り組んでいる。
その取り組みの一つとして、従来のAFS(Adaptive Front Lighting System)を進化させ、ドライバーの視線と連動するヘッドランプシステムを映像で紹介する。開発中のドライバーモニター連動AFSは、ドライバーの視線の方向を検知し、その先をロービームで追加照射する「1秒先を知る」ライティングによって、夜間走行時の安全性向上にさらに貢献している。
車載だけでなく、産機・建機・農機などのさまざまなニーズに応える、KOITOの短・中・長距離LiDARラインナップを出展する。来場者の動きをリアルタイムで3次元・高精細に検知するデモンストレーションも実施する。
イルミエルは、人やクルマの「動き」を正確に把握・データ化することができ、2023年の公開以来、多くの顧客とその活用可能性について検討してきた。現在、工場内の安全支援や工程改善、広場やイベントの混雑状況や人流の把握など、さまざまなシチュエーションにおける課題解決やDX推進などへの活用が進展している。
今回のJMSでは、複雑な形状のエリア内での来場者検知デモンストレーションを通じて、その性能の高さを紹介する。
2025年5月発売のトヨタ『カローラ クロス』で日本初搭載されたシグナルロードプロジェクションは、ターンシグナルの点灯に合わせて路面にシェブロン(V字型のサイン)を投影・描画し、歩行者や周辺車両のドライバーなどに、いち早く自車の存在や動きを知らせる。
光によるコミュニケーション機能を車両に搭載したコンセプトモックを日本初公開する。光の演出でクルマの状態・ドライバーの意思(メッセージ)を周りの交通参加者へ視覚的に伝えることで、クルマと人、クルマとクルマのコミュニケーションをサポートし、次世代モビリティ社会においても安全で円滑な交通社会を実現する技術を紹介する。
トヨタ自動車やJAXAと研究開発を進める月面での探査活動に必要な有人与圧ローバー(トヨタ自動車愛称:ルナクルーザー)向け船外照明のコンセプトモックを初公開する。
月面は、昼夜の寒暖差が非常に大きく、その温度差は300度程度であり、加えて、放射能、真空、月面を覆う砂塵(レゴリス)など過酷な環境に対応するため、高い耐久性や信頼性を実現した照明器を開発している。




