ダイナミックマッププラットフォームは、測量・調査・土木設計を行う日本海測量設計を子会社化したと発表した。
同時に測量事業を統括する「ダイナミックマッププラットフォームコンサルタンツ」を新設し、今後はロールアップ型M&Aを通じて日本のデジタルインフラ整備を担う測量ネットワークを確立していく。
測量業界は現在、深刻な課題に直面している。まず業界再編の課題として、測量業者は2003年度をピークに21年連続で減少。2023年度末時点で測量業登録業者の95%が資本金1億円未満の中小企業となっている。
次に測量士育成の課題では、測量士は直近10年間で約2割減少し、年齢層は50歳以上が6割超を占める。30~40歳台の減少が顕著で、中小企業を中心に高齢化が進行している。
技術革新の課題では、測量会社のほとんどが中小企業のため大規模かつ高頻度の設備投資が困難で、最新技術の導入が進みにくい状況にある。
これらの課題が進行すると、地方インフラ整備の担い手が減少し、老朽化や災害への対応が困難になる可能性がある。政府が進めるデジタルインフラ整備も遅延につながる恐れがある。
ダイナミックマッププラットフォームは、測量業界でのロールアップ型M&Aを実施し、日本のデジタルインフラ整備・測量業界の維持に貢献する測量ネットワークを中期的に確立する方針だ。
今回の日本海測量設計の子会社化は、この取り組みの第1号案件となる。今後は新設した統括会社のもと、複数地域の測量・設計・建設コンサルタント会社のグループインを推進していく。
地域社会に根差した各社の特長を継承しつつ、人材・技術・機材の共有化や最新技術への投資などグループならではのメリットも追求し、デジタルインフラ整備およびさらなるビジネス拡大を推進していく。
日本海測量設計は1983年設立で、富山県を中心に地域密着型で40年以上にわたり測量業に従事。2024年の能登半島地震の復旧対応にも携わった実績を持つ。




