パナソニック オートモーティブシステムズ(PAS)は11月12日、自動車サイバーセキュリティ分野のソリューション「VERZEUSE」シリーズをSDV(Software Defined Vehicle)対応へと進化させたと発表した。
従来の個別ECU構成への対応に加え、複数の機能を仮想環境上で集約・制御する統合ECUやコックピットHPC(High Performance Computer)にも適応可能なソリューションへと拡張。車両ライフサイクル全体にわたるセキュリティを実現している。
近年、自動車は「快適な車内空間のUX」「先進安全機能」「継続的な進化」など、ユーザー体験の多くをソフトウェアによって実現するようになってきた。こうした流れの中で、車両の価値の大部分がソフトウェアで定義されるSDV時代が到来している。
SDVではソフトウェアの規模が拡大し、OSS(Open Source Software)の活用も進む一方で、脆弱性のリスクも増加。セキュリティ対策はより複雑かつ膨大になり、属人的な対応では限界が生じている。これにより、自動化・効率化されたセキュリティソリューションの必要性が高まっている。
さらに、SDVアーキテクチャでは、複数のECU機能がコックピットHPC上で仮想化されて動作するため、従来の物理的に接続されたECUとは異なるセキュリティ課題が顕在化している。仮想環境だからこそ発生する、ソフトウェア通信接続の脆弱性、攻撃経路の多様化、メモリ空間の分離不備などに対応するには、車両ライフサイクル全体にわたる脅威分析や脆弱性分析が不可欠となっている。
VERZEUSEは、これまでPASが自動車向けに積み重ねてきたセキュリティ技術を結集したソリューション。今後もSDV時代の安心・安全を支える中核技術として、この分野に継続的に注力し、技術革新を推進していく。




