ミスミグループは11月17日、機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy(メビー)」の板金加工サービスにおいて、銅系材質の自動見積もりを開始したと発表した。
対応する材質は純銅(C1020無酸素銅、C1100タフピッチ銅)と真鍮・黄銅(C2801P)。純銅は熱伝導性・導電性に優れており、電流を効率的に伝達するバスバーなど電気・電子機器向け部品に不可欠な材料だ。真鍮・黄銅は耐久性、耐食性などに優れ、溶接加工設備におけるスパッタの付着を防止するカバーをはじめ、多くの機械部品に広く利用されている。
電気・電子機器、自動車、産業機械分野では、高い熱伝導性や導電性を持つ純銅部品が広く使用されている。特に電流を効率的に伝達する役割をもつバスバーなどの用途では、安価で高性能な純銅が不可欠だ。しかし純銅はレーザー加工時に光が反射しやすく、変色や変形のリスクが高いという課題がある。
真鍮・黄銅は銅に亜鉛を加えた合金で、耐久性・耐食性・加工性に優れ、多くの部品に広く利用されている。いずれの材質も加工難易度が高く、対応できる業者が限られるため、納期が不安定になり、長納期化しやすい傾向にあった。
こうした背景から、多くの顧客より「純銅や真鍮・黄銅などの材質をmeviyで扱ってほしい」との要望を受け、先行対応していたシム用の真鍮・黄銅に加え、板金部品の純銅と真鍮・黄銅の自動見積もりを開始した。
今回の銅材質対応開始にあたり、生産体制を強化し、加工仕様の標準化を行った。これにより安定した品質を確保しつつ、最短2日目出荷という短納期での部品供給が可能となる。従来調達に時間を要していた銅材質の部品も、3Dデータのみで短納期調達が可能となり、急な設計変更にも柔軟に対応できるようになる。
meviyは機械部品の3Dデータをアップロードするだけで、AIが自動で即時見積もりを行い、独自のデジタル製造システムにより最短1日での出荷を実現する。これまで機械部品調達時に発生していた作業時間の9割以上を削減することで、顧客の部品調達における非効率を解消するプラットフォームだ。4年連続で国内シェアNo.1を獲得し、第9回ものづくり日本大賞において「内閣総理大臣賞」を受賞するなど、製造業の生産性向上において高い評価を得ている。




