韓国のSKイノベーションは、LFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーのリサイクル技術を開発したと発表した。
このリサイクル技術は、化学工学専門の国際学術誌「Separation and Purification Technology」に掲載された。
従来のLFPバッテリー再活用プロセスは、副産物処理や廃水発生など環境負荷が大きく、処理コストの面でも限界があった。SKイノベーションは、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、過酸化水素(H2O2)のみを使用してLFPバッテリーから炭酸リチウム(Li2CO3)を選択的に回収する環境配慮型工程を開発した。
この成果は、環境配慮性と経済性の面で従来の限界が指摘されてきたLFPリサイクル分野に新たな突破口を提示したと評価されている。SKイノベーションの環境配慮型リサイクル技術は、従来の環境負荷を削減すると同時に原料を効率的に回収できるため、将来のバッテリー資源循環および関連産業拡大に大きく貢献すると期待される。
最近、電気自動車とエネルギー貯蔵装置(ESS)市場でLFPバッテリーのシェアが急速に拡大している。国際エネルギー機関(IEA)は、中国発のLFP需要増加が顕著になっていると指摘し、2024年基準でLFPバッテリーのシェアが50%まで増加したと明らかにした。低価格と高い安全性、長寿命など様々な利点により、中低価格電気自動車や普及型モデルだけでなく、ESS分野でも活用が急速に拡散している。SK イノベーションの子会社であるSKオンも、この市場動向に合わせてESSと電気自動車に適用されるパウチ型LFPセル生産を準備中だ。
これに伴い、使用済みバッテリーの回収と再活用能力は、産業競争力と資源確保を決定づける核心課題として浮上している。特にESSへのLFPバッテリー適用が増加するにつれ、リチウムの安定的な回収と環境配慮型処理技術の重要性がさらに強調されている。




