クルマをより楽しくドライブするために欠かせないのが車内エンタメやカーオーディオ。ナビやディスプレイオーディオ、スピーカーなどのAV機器に注目したい。
クルマの所有期間が長くなる昨今、購入時のタイミングで自分に合った機器を選び、コスパを最大限引き出すシステムアップを計画をすれば想像以上にカーライフが充実するのだ。
◆購入時にこそ車内エンタメを見直す
ホンダ フリードにはオーディオレス仕様が用意されている
新車を購入する際、車種やグレード、ボディカラー、内装装備など多くの選択肢に向き合う。その中にオーディオ機器も含まれるが、オーディオ装備は後回しにされやすく、メーカー/ディーラーオプションを無意識に選んでしまうこともある。ところが乗り始めてみると、車内エンタメの中心となるオーディオ装備の重要性を実感するはずだ。せっかく費用をかけて導入するなら満足度の高い機器を選びたい。安易に純正オプションへ流されるのではなく、市販品も含めて検討することが重要なポイントになる。新車に市販ナビは装着できないんじゃないの?と思われていることも多いのだが、実は調べてみると“オーディオレス設定”がある車種が思いのほか存在している。あればこっちのもので、自分に合ったソースユニットを幅広く選べることになるのだ。
中古車の購入でも、装着されているオーディオ機器が一昔前のモデルになっているケースは少なくない。そこで現行モデルの市販品に交換するだけで性能は一気にグレードアップする。クルマの所有期間が長くなっている今だからこそ、新車/中古車に限らず、手に入れる段階で気に入ったオーディオ機器を取り入れて、長く快適なエンタメ空間を整えることが結果的にコスパの向上につながる。
◆最初に選ぶべきはソースユニット
楽ナビ「AVIC-RQ722-DC」(左上)/サイバーナビ「AVIC-CL912IV-DC」(右上)/DA「DMH-SF600」(左下)/DMH-SZ500(右下)まず選びたいのは市販品のオーディオユニット。オーディオメーカーが力を入れて開発して自社ブランドで販売する市販品は、最新の機能と性能を備えているのが特徴だ。音の良さや映像の美しさの面でも、市販品が先端を走るのは自然な流れと言える。ここではパイオニア・カロッツェリアのユニットを例に、導入スタイルを整理してみよう。
オーディオユニットを選んだことがないエントリーユーザーは、どの機器をどう選べば良いのか迷いがちだ。そこで最初に決めたいのがソースユニット(カーナビやディスプレイオーディオなど、音楽や映像再生機能を備えた機器)。車内での再生環境の土台となるユニットであり、ここで選ぶモデルによってシステムの方向性が大きく決まる。
しかし、ソースユニットだけでも高機能カーナビ=サイバーナビ、スタンダードカーナビ=楽ナビ、さらにはディスプレイオーディオと、カロッツェリアのメインユニットだけでも複数の選択肢がある。自分はどのカテゴリーのメインユニットを選べば良いのか迷ってしまうだろう。
そこでオーディオユニット選びのエントリーユーザーに向けてどんなニーズのユーザーがどのメインユニットを選べば良いかをナビゲートしていくこととした。カロッツェリアブランドは先にも紹介した通り幅広いカテゴリーのメインユニットを持つため、セレクトの幅も広く選びやすいブランドだ。しかも伝統と実績のあるブランドでありカーナビの黎明期から業界をリードしてきたことから信頼性の高さも抜群。もちろん常に最新の性能&機能を投入してきたブランドだけに選んで間違いないブランドでもある。さらにオーディオメーカーだけに音に関わる性能の高さも自慢。加えて近年はカーナビに通信機能を積極的に取り入れているのも同ブランドの強み。そんなカロッツェリアブランドのメインユニットを順に見ていくこととしよう。
◆最高峰を求めるならサイバーナビがオススメ!
carrozzeria サイバーナビ AVIC-CQ912IV-DCまず高音質を最優先するユーザーなら、カロッツェリアの最高峰カーナビ「サイバーナビ」が候補の筆頭だ。サイバーナビは常にカーナビの最先端を走ってきたハイエンド機だ。ナビ機能でもスーパールート探索と呼ばれる最新機能を投入。通信を利用したリアルタイム情報や過去のデータベースからの最適ルートの設定や、時間や料金を考慮した実用的なルート設定など、ベテランドライバーも唸るルートが利用できるのが魅力。またリアルタイム走行情報を利用したスマートループ渋滞情報の利用も可能で、VICS情報に加えてより広範囲(全国約70万kmが対象)の渋滞情報が手に入るシステムも魅力だ。地図更新についてもオンラインで行えるのも特徴だろう。これらは常時通信可能なネットワークスティック(DCモデル)を備え、通信機能によってカーナビの利便性を飛躍的にあげたサイバーナビならでは。一方、オーディオ機能でもサイバーナビは高性能を備えている。高音質な基板設計や音にこだわるパーツ投入により、ハイレゾ再生を含めた最新ソースを高いクオリティで再生できる。さらにタイムアライメントやイコライザーなどの調整機能も充実し、車内特有の音響条件を細かく追い込めるのが強みだ。
◆バランス良くコストパフォーマンスの高い楽ナビに注目!
carrozzeria 楽ナビ AVIC-RF722-DC次に、よりライトで扱いやすいシステムを求めるなら「楽ナビ」がおすすめ。ネーミングの通り楽に使える高性能をコンセプトにしてきた楽ナビはナビ初心者でもすぐに使いこなせる点が魅力。カロッツェリアのスタンダードナビとしてロングセラーを続け、幅広いユーザー層が固定ファンになっているシリーズだ。ナビ機能の魅力は地図案内の見やすさ&わかりやすさで、地図の見やすさにも楽ナビがこだわってきた部分だ。ぱっと見るだけで自車位置とルートを確認しやすい楽ナビならではの地図表現は魅力である。加えて楽ナビは時代の流れにも敏感。最新機能としてはApple CarPlayやAndroid Autoに対応し、スマホアプリとの連携がスムーズだ。楽ナビにもネットワークスティック同梱モデルをラインアップし、地図の自動更新ができるほか、docomoの通信を利用して車内をWi-Fi環境にでき、音楽ストリーミングなどデータ通信を気にせずを快適に使えるのもポイント。サイバーナビほどの高機能ではないものの、必要十分な音響調整機能を備えている。フローティングタイプの9V型大画面モデルからインダッシュの7V型モデルまで、幅広いラインアップを持っているが基本性能は変わりがないのでセレクトに迷うことは少ないだろう。
◆スマホ活用派にはディスプレイオーディオがオススメ!
carrozzeria DMH-SF9003つ目の選択肢はディスプレイオーディオ。カロッツェリアは他メーカーに比べても群を抜いてディスプレイオーディオのラインアップが充実しており、画面サイズの違いや機能面の違いで7モデルもの選択肢を備えているので好みのモデル選びが可能だ。1DINスペースで取付けられるモデルもあるので取付スペースで悩んでいる人はチェックして欲しい。ディスプレイオーディオは基本的にはスマホを接続することで機能をフル活用できるのが特徴で、Apple CarPlay/Android Autoを軸に音楽再生やナビ機能を利用するスタイルだ。Apple CarPlay/Android Autoの接続にはワイヤレスとUSB(有線)があり、モデルごとに対応が異なるので使い勝手で選ぶと良いだろう。カロッツェリアの各モデルはApple、Googleの正規認証を取得しているので安心、接続時のトラブルなども皆無なので安心して使えるだろう。このあたりもジャパンクオリティの優位性となっている。
このようにメインユニットには、ハイエンドカーナビ、スタンダードカーナビ、ディスプレイオーディオという3つのカテゴリーがある。音質重視、手軽さ重視、スマホ連携重視など、ニーズに合わせて選べば迷いにくい。純正オーディオが外せない車両でエンタメ性能はアップできないのか?と言われれば違うと断言。そんな場合には後ほど説明するDSPアンプという選択肢が有効だ。
◆スピーカー交換で体感できる“最初の大きな伸び”
carrozzeria TS-V174Sメインユニットが決まったら、次のグレードアップのターゲットはスピーカーだ。純正スピーカーはコスト優先の設計になりやすく、実際に手に取ると作りの簡素さに驚くこともある。対して市販スピーカーは素材や構造の質感が高く、その差は音に素直に表れる。高音質化のキーワードとして最も分かりやすいのがこのスピーカー交換だ。
carrozzeria TS-C1740S選びたいのは純正と入れ替えやすいトレードインスピーカー。カロッツェリアでは上級のVシリーズ、中級のCシリーズ、エントリーのFシリーズと明確にグレードが分かれており選びやすい。価格帯が上がるほど音のリアルさや質感が向上するため、予算が許すなら上位モデルを選ぶのが長く楽しむコツになる。
carrozzeria TS-F1750Sスピーカーにはツイーター/ミッドバスが別体のセパレートモデルと、2ウェイ同軸のコアキシャルモデルがある。高音のクオリティや音場の作り込みで有利なセパレートモデルは、シリーズ内でも上位に位置づけられることが多い。スピーカーを交換すると音が大きく変わるのが誰にでも分かる。「車内が音楽で満たされる感覚が気持ち良い」「ドライブが楽しくなった」など、愛車が新しくなったような感覚を得られるのも魅力だ。エントリーモデルでも十分効果は体感できる。
◆サブウーファーとDSPアンプで完成度を上げる
carrozzeria TS-WX400ASスピーカー交換の次に注目したいのがサブウーファー。ドアスピーカーは中低音の再生能力を備えているものの、音源に含まれる超低音は再生し切れないことが多い。つまり本来の音楽の一部を聴き逃している可能性が高い。サブウーファーを導入すれば、より低い周波数を再生できるようになり、音楽性や没入感が一気に高まる。低音の補強だけでなく、全帯域の“音の厚み”を底上げできる点も大きなメリットだ。
カロッツェリアにはコンパクトなモデル(TS-WX400DA、TS-WX140DA)やラゲッジのデッドスペースに設置できるモデル(TS-WX70DA)など、ニーズに応じたラインアップが揃う。いずれもパワーアンプ内蔵のパワードサブウーファーで、ソースユニットに接続するだけで比較的手軽にシステムアップできる。
carrozzeria DEQ-2000Aさらに純正オーディオが外せない/市販ソースユニットへの交換が難しい車両では、アンプ内蔵のデジタルプロセッサー(DSPアンプ)が頼れる存在になる。「純正が外せないから市販品での高音質化は無理」「デザイン的に純正ユニットを変えたくない」と感じるユーザーもいるが、DSPアンプなら解決策になり得る。カロッツェリアの「DEQ-2000A」は純正オーディオのスピーカー出力を取り込み、サウンドを調整したうえで内蔵アンプから各スピーカーへ出力できるユニットだ。純正ユニットを残したまま、市販品交換級の調整能力と高音質を狙えるし、車内の見た目を変えずにグレードアップできる。
このようにカロッツェリアのオーディオ機器は多岐にわたり、高音質化や利便性アップに直結するユニットが揃う。そこで実際に各ユニットを取り付けた車両をチェックしてみよう。
◆エンタメ性能向上を実車で体感!
ダムドのデモカーであるホンダ フリード今回製品を装着するクルマはダムドのデモカーであるホンダ フリード。実はフリードにも「オーディオレス設定」が存在するので市販製品の装着が可能なのだ。
今回ダムドのデモカーであるフリードに装着された製品選んだソースユニットは楽ナビ「AVIC-RF722-DC」。9V型のフローティングディスプレイを持つ大画面モデルで、スマホのWi-Fi接続にも対応する。さらにApple CarPlay(ワイヤレス接続)やAndroid Autoにも対応し、使い勝手の幅が広い。市販カーナビの取り付けが難しいフリードでも、専用の取り付けキット(KK-H88DE)によってスマートに設置できるのが見どころだ。
スピーカーはインナーでの取り付けなので見た目的には純正然の仕上がりスピーカーにはCシリーズ「TS-C1740S」を採用。ツイーターとミッドバスが別体のセパレート2ウェイで、目の前に広がる音空間の再現に強みを持つ。専用の取り付けキット「UD-K5310」やサウンドチューニングキット「UD-S701」を併用し、ユニットの能力を引き出している。
助手席下にパワードウーファーを設置して低音のみならず音を立体的に表現してくれる低音を補うサブウーファーには「TS-WX140DA」を選択。コンパクトで置き場所に困らないサイズ感ながら、音の迫力と厚みをしっかり底上げする。
carrozzeria TVM-PW930Tllさらに後席用のプライベートモニター「TVM-PW930Tll」を装着すれば、後席では走行中でも映像コンテンツが見られるので小さな子供がいるファミリーユースでの快適性も大幅強化した仕様にできる。
加えて純正ステアリングリモコンに対応する「ステアリングリモコンアダプターKK-H301ST」や、純正バックカメラの変換コネクターも装備。純正機能との融合まで丁寧に考えられた、抜け目のないシステムアップ例と言えるだろう。
フローティング9型の楽ナビは視認性が非常に良く操作性も高いダムドのフリードはあくまで一例だが、難しく考えず、ソースユニット→スピーカー→サブウーファーの順でユニット選びを楽しみたい。高品質な機器を導入すれば、愛車の車内エンタメは確実に進化する。長く乗る時代だからこそ、満足度の高いオーディオ機器を積極的に取り入れて、日常のドライブをもっと楽しい時間に変えていこう。
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