日立製作所は、CES2026において、AIで社会インフラの革新を実現する戦略と具体的なソリューションを発表した。
発表の中核となるのは、次世代ソリューション群「HMAX(エイチマックス)」だ。HMAXは現在、モビリティ、エネルギー、産業の3つの社会インフラ分野に展開されている。このソリューション群は、フィジカル・デジタル両方のアセットから得られる膨大なデータを活用し、先進的なAI(Perception AI、生成AI、Agentic AI、フィジカルAI)を統合する。さらに、長年にわたる運用システムの導入・保守で培った日立の深いドメインナレッジを生かすことで、革新的な価値を提供する。
CES Foundryセッション「Pioneering AI Technologies for the Physical World」では、日立アメリカのCMOであるArya Barirani氏と、NVIDIAのロボティクスおよびエッジAI担当バイスプレジデントであるDeepu Talla氏が登壇。両社の協業が、どのように現実世界での応用を加速させ、フィジカルAIの力を安全に活用することでより効率的で自律的な未来を実現していくのかを探った。
産業分野では、バッテリー分野向けとして精密解析・検査システム、ロールプレス、ドライクリーンルーム、ロボット活用自動化ソリューション、OT-ITプラットフォームなどの提供により、歩留り改善や品質向上を支援する。さらに、リチウムイオン電池ライフサイクルマネジメントの提供により、資源循環の促進や環境負荷の低減に貢献する。
バイオ医薬分野向けとしては、日立の培養シミュレーションとAIによるパラメータの製造工程へのフィードバックにより、製造リードタイムを3分の1に短縮させる。また、説明可能なAIを活用し、複雑な医療データから主要なバイオマーカーを抽出して臨床判断を支援する「ヘルスケアデータ分析プラットフォーム」や、再生医療向けにバリューチェーン全体のトレーサビリティを確保する「HVCT RM(Hitachi Value Chain Traceability for Regenerative Medicine)」を提供する。
日立レールとGoogle Cloudの協業では、持続可能なモビリティ分野でのリーダーシップ強化のため、鉄道業界のDX加速に向けた協業を発表した。Google Cloudの先進的なAI・サイバーセキュリティ技術と、GlobalLogicの高度なデジタルエンジニアリング能力を活用することで、日立レールはオペレーション効率を向上させ、鉄道業界の自律化・省エネルギー化への移行を推進している。
OT/IoTセキュリティにおいては、日立システムズの海外子会社としてHitachi Cyberブランドでグローバルのサイバーセキュリティ・サービスを展開するHitachi Systems Trusted Cyber ManagementがNozomi Networksとの戦略的協業を発表し、世界水準のOT・IoTモニタリング・可視化ソリューションを提供する。このパートナーシップは、産業分野におけるHitachi Cyberの深い知見とNozomi Networksの最先端セキュリティ技術を融合し、エネルギー、モビリティ、製造分野の重要インフラを脅かす物理的およびサイバーの脅威から守るための包括的な防御フレームワークを構築する。
日立ブースでは、来場者にインタラクティブなデモや展示ゾーンを通じた体験を提供した。HMAXソリューションによる社会インフラの変革の紹介、ソフトウェア定義型自動車(SDV)における日立のデジタルエンジニアリングとクラウドベースのAIソリューションの実証、NVIDIAの技術を活用した高度なシミュレーションによるAI精度検証、次世代AI活用による現場作業者支援、物流、脱炭素化などの最先端ソリューションのデモンストレーションなどが行われた。




