冬の北海道で「BLIZZAK WZ-1」の実力を試す、ドライでも全く不安感のない新しいスタッドレスタイヤ…諸星陽一

モータージャーナリスト 諸星陽一氏
モータージャーナリスト 諸星陽一氏全 55 枚

ブリヂストンの新作スタッドレスタイヤ「BLIZZAK WZ-1(ブリザック ダブルゼットワン)」を北海道旭川市周辺で試乗した。実はこのWZ-1、2025年7月に神奈川県横浜市周辺で一度試乗している。真夏にスタッドレスタイヤ?と思う方もいるだろう。このタイミングでの試乗は、一般道とスケートリンクを使ったものだった。

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その際のフィーリングは、かなりいいものであった。とはいえ、スタッドレスタイヤである。本格的な雪道で試乗しなければ真価は語れない。そこで冬の北海道で2025年11月下旬に改めて試乗会が行われた。運がいい事にしっかり雪が降った翌日で、試乗コースはしっかりと雪景色であった。さらに市街地はシャーベット路やウエット路も存在しており、またとないテスト向きの路面となっていた。

◆刻々と路面状況の変わる市街地、ウェット~圧雪路の変化は難なく対応

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

まずは市街地でのフィーリングだ。ウエット路面、ときにセミウエット程度という路面での試乗となった。試乗車はHonda『ZR-V』。北海道での雪道試乗ということで、ZR-Vを含む試乗車はすべて4WD仕様である。シャバシャバに近いような路面でもタイヤから伝わるフィーリングはしっかりとしている。雪が解けて水たまりとなっているような場所を選んでブレーキを踏んでも、特にグリップのヌケ感などはなく、しっかりとした減速感がある。

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

スタッドレスタイヤはトレッド面にサイプと呼ばれる細い切れ込みが数多く存在するため、ノイズが大きくなりがちだがブリザックWZ-1は、そうしたノイズもよく抑えられているという印象。横浜での試乗ではドライ路面でのコーナリング安定性も確認している。オールシーズンタイヤは雪道も走れるサマータイヤと評されることが多いが、ブリザックWZ-1はドライでも不安感のないスタッドレスタイヤという印象だ。

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

次に用意されていたのはトヨタ『クラウンクロスオーバー』だ。クラウンでは郊外からワインディングに入り、旭岳を目指す。ひたすら上り勾配の道を走って行くことになる。走り始めはウエット路面であったが、路面の雪は徐々に増えていき、やがて圧雪路となる。

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

郊外に向かっていく道では深めのワダチもあり、ある程度ハンドルが取られるような場面もあったが、これを完全になしにすることは物理的に無理。そして、ワダチから出ようとして、ステアリングを切った際はちゃんと乗り越えて出てくれるので不安感はない。こうしたところのしっかりさは、さすがブリザックという印象。

◆いきなり厳しいアイスバーン、感じたのは確かな安心感

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

ワインディングに入ると路面状況はさらに悪化した。おそらく前日に雪が解けてウエットとなった路面が再凍結したのだろう。完全なアイスバーン状態の部分もあった。昼間だから路面状況を判断できるが、夜になれば路面状況の判断が難しくなるだろう。そんなつるつる路面でもアクセルを慎重に扱えばさほど滑るといった印象はない。ただしアクセルをちょっとラフに踏み込んだりすれば、横滑り防止装置がすぐに介入してくる状況だ。

状況を判断しながらのドライブは大切だ。しかし、「これヤバいな」と直感するような路面でも安心感をもって走っていられるのは、やはりこれまでブリザックが積み上げてきた信頼性があるからだろう。

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

アイスバーンを抜け、圧雪状態となったところでステアリングを左右に振ってグリップを確かめてみる。ステアリング切り始めからしっかりとコーナリングフォースが発生してノーズが向きを変える。ステアリング操作に対する遅れはほとんどなく、リニア感にあふれている。上り勾配でフロント荷重が少ない状態でのフィールなので、これはかなりイケるなと思わせてくれた。

◆路面状況・車種に関わらずグリップを発揮するブリザックWZ-1

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

クラウンでワインディングを登りきったあとは旭岳のロープウェイ乗り場近くのホテルを起点に、上り下りを繰り返す試乗。試乗車はトヨタ『ヤリス』『アルファード』『RAV4』Honda『N-BOX』アウディ『Q5』ボルボ『XC60』と多彩だ。下り試乗ではN-BOXとヤリス、そしてアルファードという組み合わせ。

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

雪上試乗でプレッシャーを感じるのは下り勾配だ。アクセルペダルを戻しても減速度は低い。N-BOXとヤリスは車重の軽さが功を奏し、かえって楽しみながらの運転ができた。ブレーキチョン掛けでステアリングを切ってクルマを振り回してみたりといったこともできる。

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

単純にタイヤのグリップを落とすというのではなく、コントロール下における操作が可能だ。ではアルファードのような重量のあるモデルはどうか?といえば、これもまたしっかりとコントロールできるのだ。重いクルマはきっと怖いだろうな、という先入観が乗り手に不安を与えるが、実は走ってみるとそんなことはなかった。

ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」試乗会

一方で上り勾配を走ることになるQ5、XC60、RAV4はいずれも車重が重め。しかしどれも走りはキビキビしていた。実は後半になるにつれ、降雪が増えてきて路面には新雪が積もり始めていた。先代のブリザックVRX3は雪にちょっと弱い印象があったが、WZ-1は新雪上での発進加速、コーナリング、ブレーキのいずれもしっかりしたフィーリング。冬のどんな路面でもグリップを維持する性能を得たのは頼もしい限りだ。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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