次世代音声AI向け「HiFi iQ DSP」発表、AI処理性能8倍・消費電力25%削減…米ケイデンス

ケイデンスのTensilica HiFi iQ DSPイメージ
ケイデンスのTensilica HiFi iQ DSPイメージ全 1 枚

米国のケイデンスは、次世代の音声AIおよびイマーシブオーディオ向けに特化した新アーキテクチャを基盤とする「Cadence Tensilica HiFi iQ DSP IP」を発表した。

本製品は、実績豊富なHiFi DSPファミリの第6世代にあたり、ホームエンターテインメント、車載インフォテインメント、スマートフォン市場などで急増する音声・オーディオ処理需要に対応する。

従来のTensilica HiFi 5s DSPと比較して、HiFi iQ DSPは2倍の演算性能、8倍のAI処理性能を発揮し、さらに幅広いワークロードにおいて25%以上の省電力化を実現している。また、各種オーディオコーデックでは40%以上の性能向上を達成した。

高い没入感を実現する最新のオーディオコーデック、高サンプリングレートでのオーディオ処理、オブジェクトベースレンダリング、シームレスな自然言語処理、車載におけるロードノイズキャンセレーションなどのニーズが高まり、より大規模な計算処理が求められている。これらの用途にはAI/ML処理能力の強化と、音声・オーディオの高度な前処理・後処理機能が必要であり、エッジAIやフィジカルAI環境におけるオンデバイス処理では、低遅延かつ省電力で実行することが求められる。

ケイデンスは、20年以上にわたり培ってきたオーディオソリューションの開発経験と、命令セット最適化の知見を活かし、AI処理を強化した高性能オーディオワークロード向けの新アーキテクチャを開発した。

Tensilica HiFi iQ DSPは、オーディオ市場の最新動向に応え、Tensilica HiFi 5s DSPを大きく上回る性能を提供する。高負荷な演算が求められる先進的なオーディオ規格に対し、演算性能を2倍、AI処理性能を8倍の向上を実現。オンデバイスAI処理において、幅広いワークロードで消費電力を25%以上削減する。自動ベクトル化機能を強化し、プログラミングの容易化と市場投入期間の短縮を実現。FP8、BF16などのデータ形式をサポートし、最先端の音声AIモデルを実行可能とした。

Tensilica HiFi iQ DSPのアーキテクチャ強化と計算能力の向上により、Dolby MS12、Eclipsa Audio、Opus HD、Audio Vividなどの高度なイマーシブオーディオコーデックを、従来のHiFi DSPより効率的に実行できる。また、複数のコーデックにおいて、Tensilica HiFi 5s DSP比で40%以上の性能向上を既に実証している。

キーワードスポッティング、アクティブノイズキャンセル、ビームフォーミング、自動音声認識などの信号処理アルゴリズムをシームレスに実行でき、最先端のNLP機能を実現する。さらに、マルチストリーム・マルチチャネル再生により、3D空間ゾーンやサウンドバブルのレンダリングが可能となり、よりリアルな音響体験を提供する。

Tensilica HiFi iQ DSPは、広く利用されているSLM/LLMを含む多様な音声AIモデルをDSP上で直接実行でき、音声AIに最適化されたオールインワンAIプロセッサとして機能する。性能およびエネルギー効率をさらに高めたい場合は、ケイデンスのNeo NPUやお客様の独自設計のNPUと柔軟に統合することが可能だ。

また、Cadence NeuroWeave Software Development Kit、TensorFlow Lite for Micro、LiteRT、ExecuTorchなどのAIモデル実行環境に対応している。加えて、Tensilica HiFi iQ DSPは、幅広いエコシステムパートナーやOEMが提供するソフトウェアライブラリ、コンパイラ、コーデックパッケージ、フレームワークなどを活用できるため、スムーズな導入とスピーディな市場投入を実現する。

Tensilica HiFi iQ DSPは、主要顧客およびパートナー向けの提供は2026年第1四半期に、一般提供は第2四半期に予定している。また、本DSPはISO 26262準拠の機能安全認証を目指しており、安全性が重視されるアプリケーションにも適用可能。また、将来的にはキャッシュコヒーレントなマルチコア構成への対応も計画している。

《森脇稔》

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