八幡平市と岩手県北自動車は2月2日、八幡平市松尾地区においてAIを活用したオンデマンド交通「八幡平市予約バス(愛称:よぶきた八幡平)」の実証運行を開始したと発表した。
本取組は、2024年3月に策定した「八幡平市地域公共交通計画」に基づくもの。松尾地区内を運行していた八幡平市コミュニティバス大花森線と前森線の両路線を「よぶきた八幡平」に切り替えることで、松尾地区内の移動利便性を向上させる。
AIオンデマンド交通とは、乗客からのリアルタイムの呼び出しに応じて、最適な経路(回り方)とダイヤ(乗降時間)をAI(人工知能)が自動で作成するもの。運行エリア内に、標柱バス停に加えて標柱のないバス停(乗降場所)を多数設定し、乗客が利用したい時間に、現在地の近くから乗車し、目的地の近くで降車することができる。
従来のコミュニティバスは、定時定路線運行のため、利用者の有無に関わらず決まったルート・ダイヤで運行していたが、「よぶきた八幡平」では、利用者の呼び出しに合わせて運行する。また、既存のバス停に加えて、新たにデジタルマップ上に標柱がないバス停を設けることで、自宅や目的地により近い場所からの乗降が可能となる。
乗降場所は、従来の102カ所から39カ所追加して合計141カ所に拡充。商業施設、ゴミステーション、消火栓など標柱がなくてもわかりやすい場所を中心に設定した。これにより利用者は自宅や目的地により近い場所から乗車・降車でき、歩く距離を短縮して移動負担を軽減しつつ、大幅な遠回りをさけてより多くの相乗りを発生させる。
従来のコミュニティバスは、より多くの地区を回るルートであったため、目的地まで1時間以上かかる場合もあり、運行本数も1日1~2便だった。「よぶきた八幡平」は、呼び出しのあった区間のみを運行するため、従来のコミュニティバスに比べて、目的地までの所要時間が短縮される。また、利用者が「使いたいタイミング」で呼び出しを行い、それに応じて運行する仕組みとすることで、実質的に運行本数が増加することになる。
本実証運行は、八幡平市からの委託事業として、岩手県北バスが「よぶきた八幡平」の運行とシステム運用を担い、同社親会社の株式会社みちのりホールディングスがシステムの設計・開発に協力している。また、システムはVia Mobility Japanの技術を活用している。
本実証運行組で使用するシステム(アプリ)は、「よぶきた八幡平(AIオンデマンド交通)」と「岩手県北バスが運行する路線バス」、「八幡平市コミュニティバス」の3つの交通手段を対象にAIが移動ルートを提案する「えらべるナビ」の機能がある。
利用者は、出発地・目的地・希望時間を入力することで、よぶきた八幡平のみの移動ルート(呼出可能)、路線バスまたはコミュニティバスのみの移動ルート、よぶきた八幡平(呼出可能)と路線バスまたはコミュニティバスとの乗継移動ルートを一覧で確認でき、複数の選択肢の中から、自身の目的や希望に合った移動ルート(手段)をえらべるようになる。
これにより、「よぶきた八幡平の運行エリア外を含む八幡平市内の移動」や「八幡平市内と盛岡市内を結ぶ移動」についてもスムーズな移動環境を提供する。
八幡平市と岩手県北バスは、本実証運行の結果を踏まえて課題の検証や必要な改善を行いながら、2027年度中に本格運行への移行を目指し、持続可能な公共交通の構築に取り組んでいく。




