TBMは2月4日、家庭から排出される容器包装プラスチックを原料に、独自の配合・混練技術を活用した高機能再生材「CirculeX(サーキュレクス)」を開発したと発表した。
使用済みプラスチック由来の再生材でありながら、物性低下や臭気といった従来のPCR材(ポストコンシューマーリサイクル)の課題を解決し、バージンプラスチックを上回る強度を実現した。
世界的にプラスチックの資源循環が求められる中、欧州では2025年に新たなELV規則案が公表され、PPWR(包装・包装廃棄物規則)が発効するなど、サーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みが進められている。国内でもプラスチック資源循環促進法に基づき、2030年までにプラスチックの再生利用を倍増させる目標が掲げられている。
再生プラスチック市場は国内外で強い成長トレンドにあり、国内市場は2024年に約1719億円、2040年には約3259億円規模に達すると予測されている。世界市場も2025年に約13.7兆円、2032年には約23.7兆円規模に達する見込みだ。
一方、高品質な産業廃棄物由来の再生材は需要の急増に対して供給が逼迫し、価格も高騰している。使用済みプラスチック由来のPCR材は、食品残渣に起因する臭気や材料の強度不足などの品質課題が残るため、国内で再商品化される製品用途は主に使い切りのパレットや土木建築用資材の充填剤などに限定されていた。
TBMは、LIMEX事業で培った素材開発の独自の配合・混練技術や横須賀サーキュラー工場のプロセス改善を通じて、PCR材の強度不足や臭気改善といった品質課題を抜本的に解決した。
「CirculeX」は、曲げ強度が従来のPCR材と比較して約126%、バージンプラスチックと比較して約47%向上した。耐衝撃強度は、従来のPCR材と比較して約176%、バージンプラスチックと比較して約129%向上し、従来のPCR材やバージンプラスチックを上回る強度を実現した。建築資材、物流資材、自動車部品など、耐久性が求められる様々な分野での利用が可能となる。
洗浄プロセスの改良により、従来の使用済み容器包装プラスチック由来のPCR材と比較して臭気を約60%低減させることに成功した。これにより、臭気の問題で敬遠されていた家具、家電部品、自動車の内装材など、屋内外問わず多様な製品用途での利用が可能となる。
また、バージンプラスチックと比較して、1kgあたり最大6.43kg(最大61%相当)のCO2排出量を削減する。マテリアルリサイクルが出来ない使用済みプラスチックは、主に燃料として利用し、その排熱を回収するサーマルリカバリーという方法で燃焼を伴う焼却処理されてきたが、「CirculeX」の活用により大幅な削減が可能となる。
顧客の課題に合わせて、「高強度+低臭気グレード」、「高強度グレード」、「低臭気グレード」など柔軟な提案が可能で、製品用途に応じて強度や流動性を調整することもできる。
高強度+低臭気グレードは、強度と低臭気を兼ね備えたハイエンドグレードで、屋内での臭気発生が懸念され、かつ強度も求められるバージン材やPIR材代替に最適だ。用途としては家具・什器の椅子芯材や机内部、家電の底板・裏面・内部パーツ、自動車内装の表皮材やカーペットで覆われる内部構造材などが想定される。
高強度グレードは、独自の配合技術により通常の再生材では課題であった強度不足を克服し、バージン材を超える強度特性を保有する。建築の樹脂製資材、物流・産業の重量物・自動倉庫用(リターナブル)、自動車の足回り部品(泥・石跳ね対応)などでの利用が見込まれる。
低臭気グレードは、高度な洗浄・処理プロセスにより、食品残渣等に由来する不快な臭いを大幅にカットし、これまで臭気が理由でPCR材の採用が見送られてきた屋内空間周辺での利用を可能にする。物流・産業の屋内向けコンテナなどでの活用が期待される。
TBMは年内に横須賀サーキュラー工場での「CirculeX」の量産体制を構築し、従来のPCR材や生産・流通工程などで発生する産業廃棄物由来の再生材(PIR材)の製品用途だけでなく、価格競争力を有するバージンプラスチックが使用されている製品用途含めて「CirculeX」を展開していく。




