Will SmartとKCS、八戸圏域の公共交通支援で国交省大臣表彰…バスICデータ可視化を評価

(データ可視化画面イメージ ①バス停別利用状況、②時間別利用状況、③支払金種、④運賃区界、⑤区間別社内乗車人員、⑥日付別利用状況などが閲覧可能)
(データ可視化画面イメージ ①バス停別利用状況、②時間別利用状況、③支払金種、④運賃区界、⑤区間別社内乗車人員、⑥日付別利用状況などが閲覧可能)全 1 枚

地域交通インフラの課題解決に取り組むWill Smartと、持続可能な地域公共交通の実現に向けたコンサルティング事業を展開するケー・シー・エスが八戸圏域において支援した地域交通の取り組みが、国土交通省「令和7年交通関係優良団体大臣表彰(地域公共交通部門)」を受賞した。

本表彰では、バスICカード乗車データの可視化・分析を活用し、路線再編の議論と合意形成をデータに基づいて推進した点が評価された。両社は本取り組みにおいて、ICカードの可視化・分析基盤の提供を通じ、地域公共交通のEBPM(証拠に基づく政策立案)を支援した。

国土交通省によると、受賞の理由は、「バス事業者と覚書を締結し、協議会の求めに応じてデータが提供される仕組みを構築するとともに、『バスICカード可視化・分析システム』の導入により、多様なデータを可視化・分析し、路線再編等に関する議論の迅速化や精度の向上を実現するなど、地域公共交通の確保・維持に積極的に取り組んだ」こと。

八戸圏域では、人口減少に伴う公共交通利用の低下やドライバー不足の深刻化が進む中、それらに対応した路線再編やダイヤ改正の検討のための正確かつ迅速なデータ分析が求められていた。Will SmartとKCSは、この課題に対し、EBPMを実現する仕組みづくりを支援した。

2023年10月、Will Smartが提供するデータ分析・可視化サービスを活用した「バスICカード可視化・分析システム」の運用を開始。KCSが窓口となり、Will Smartが提供するTableau(複雑なデータを収集・分析・可視化するソフトウェア)を用いたプラットフォームにより、バスICカード利用データ、運行実績データ、乗客属性データを統合し、関係者が共通の指標で可視化・分析できる環境を整備した。

本システムの導入により、従来は利用状況の把握に数ヶ月を要していたものが、関係者が揃う会議の場でリアルタイムにデータ確認・分析できるようになった。その結果、路線再編の議論が大幅にスピードアップし、検討の精度も向上。赤字路線の見直しや小規模ニーズへの対応、運賃・運行回数などサービス水準の検討が、客観データに基づいて進められるようになった。さらに、こうしたデータは、地域住民への丁寧な説明にも活用されている。

また同圏域では、地域連携DMO「VISITはちのへ」や商業施設等と連携した「八戸圏域MaaS」の展開も進んでおり、交通と関連施策が連携したデータ活用に向けた検討・議論の推進を下支えしている。

本プロジェクトでは、KCSがコンサルティング企業として窓口を担い、八戸市交通部及び岩手県北自動車との調整を担当した。Will Smartは、データ分析・可視化の技術を提供し、バスICカード利用データ、運行実績データ、乗客属性データの統合・分析・可視化機能を実装したプラットフォームを実装した。

KCSを単一の窓口とする運用体制のもとで、Will Smartの先進的なデータ分析技術を活用することで、関係者の負担を抑えながら、スムーズかつ高品質なシステム導入を実現している。

八戸圏域の取組は、地方公共団体と交通事業者がデータを共有・活用し、EBPMを実践する国の推奨する仕組みを先行的に実装した事例である。現在、国において地域交通法の改正によるデータ提供ルールの制度化が検討されており、こうした動きに対応する形で、地方公共団体と交通事業者がより安心してデータを共有できる環境づくりが急務となっている。Will SmartとKCSは、八戸圏域での成功事例を全国に展開し、EBPMによる持続可能な地域交通ネットワークの構築を支援していく。

《森脇稔》

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