トヨタ・コニック・プロは、モジュール式移動スーパー車両「いちばキャビン」を2月18日に発売すると発表した。ベースはトヨタの軽トラック『ピクシストラック』だ。
移動スーパー事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、同社は事業者の現場に入り込み、日々の運営で何が負担になっているのかを丁寧に聞き取ることから開発を始めた。その結果、燃料消費や維持費の負担、故障時の対応や事業停止リスクなど、共通する課題が浮かび上がった。これらの課題が、車両を複雑に改造している構造そのものに起因していることが明らかになり、構造自体を見直す必要があると判断した。
「いちばキャビン」は、車両・電源・コンテナ・冷蔵機をそれぞれ独立させたモジュール式構造を採用している。各機能を分離することで、必要な機能を柔軟に組み合わせることが可能となり、移動スーパー車両の機能拡張や用途に応じた価値を組み合わせることを実現する。
燃料消費量・環境負荷削減では、冷蔵装置にデンソーの小型モバイル冷凍機「D-mobico」を採用し、ポータブルバッテリーを動力源とすることで、アイドリングを不要とした。その結果、同社調べでは燃料消費量が従来の車両に比べ約60%改善した。停車時の排気ガス排出を抑制するとともに、車両周囲の排熱を抑えることで、販売現場環境の改善にも寄与する。
維持コスト削減では、従来のエンジン直結式構造では冷蔵機関連の専用パーツが多く、定期的なメンテナンスや交換が必要となっていた。一方、「いちばキャビン」は冷蔵装置にD-mobicoと電源にポータブルバッテリーのみを採用。各機能を独立させた構造とすることで専用パーツの使用を抑え、整備・交換の負担を軽減する。これにより維持コストの低減が期待できる。
故障トラブル時の円滑な対応と運用負荷の軽減では、従来は車両・冷蔵機のいずれかに不具合が生じた場合でも、車両全体を専門工場に入庫する必要があり、原因特定や修理に時間を要するという課題があった。各機能が分離構造の本製品は、故障時の原因特定が容易であり、かつ冷蔵機や電源を交換可能な仕組みにすることで復旧までに要する時間を短縮。移動販売事業の迅速な再開に寄与する。
また、運用面での負担軽減を目的として、IoTサービス「D-FAMS」のオプションサービス設定を検討している。D-FAMSは車両の位置情報や温度データなどを遠隔で管理できる。またD-mobicoの送風停止や冷媒漏れ等の異常を検知することで、トラブルの原因特定や計画的な車両運行に貢献することを目指しているサービスだ。
法人向けに提供する「いちばキャビン標準パック」は、リース期間60か月のメンテナンスリースで、リース料は総額840万円(税込)、月額14万円(税込)。リース料には登録納車費用等、環境性能割、自動車税、重量税、自賠責保険料、定期点検(6か月毎)、エンジンオイル&フィルタ取替え、車検、一般整備、標準タイヤ取替え(4本)、バッテリー取替え(1回)、D-mobicoレンタル代が含まれる。ポータブルバッテリーはリース料に含まれない。
2月18日から20日に幕張メッセで開催される「スーパーマーケット・トレードショー2026」にトヨタ自動車のマルチユースバッテリーEV「e-Palette」とともに初出展する。実際に製品を見られるだけでなく、地域共創型プラットフォーム「このまち市場」が推進する地域共創の事例や、移動販売のビジネスモデルの提案も実施する。また発売にあたり個別相談会の予約も優先的に受け付ける。




