チューニングパーツメーカー・HKSが、低炭素燃料「HKS CNR FUEL」を用いた筑波サーキットでのタイムアタック検証を開始した。
【画像】HKSのカーボンニュートラル燃料で最速記録更新に挑む『GR86』
2月14日に茨城県の筑波サーキットで開催される「アタック筑波」に、トヨタ『GR86』をベースとしたチューニング車両「HKS Racing Performer GR86」で参加し、自己記録である55秒001の更新を目指す。
HKSが開発を進める「HKS CNR FUEL」は、環境負荷の低減を意識しながら性能と効率を追求した次世代レース用燃料だ。再生可能エネルギー由来原料の活用を前提とし、カーボンニュートラル社会の実現に寄与することを目指している。サーキットでの走行やタイムトライアル競技における出力性能向上を主眼に、実走行データに基づく開発を進めている。
第1弾として開発中の「Bio E85 Plus」
第1弾として開発中の「Bio E85 Plus」は、バイオ由来エタノールを主体としたE85燃料をベースに、耐ノック性を高める専用添加剤を配合した燃料だ。ノッキング限界性能を評価する試験では、市販ハイオク燃料に対して約6度、HKSの既存競技用燃料「DRAG GAS」に対して約2度の点火進角効果を確認している。
エタノール系燃料は高オクタン価であることに加え、吸気冷却効果が高い特性を持つ。燃料特性に合わせた噴射量の調整により、自然吸気車両では出力向上と反応改善が期待できる。過給器付き車両では、高オクタン価および気化潜熱によるノッキング抑制効果が大きく、燃料設計による出力変化が顕著に表れる。
事前の台上試験では、最高出力が573psから633psへ、最大トルクが683Nmから753Nmへ向上する結果を確認した。燃料の変更のみで、当面は54秒台半ばを目標にタイムアタックを開始する。
HKS Racing Performer GR86は、2021年10月のGR86発売直後より新規商品の開発・評価を目的とした走る実験台として製作された。筑波サーキット・コース2000を舞台に、タイムアタックという厳しい条件下でのテスト走行を実施している。
HKSが自社開発のカーボンニュートラル燃料で『GR86』の自己最速記録更新にチャレンジ! 2月14日「アタック筑波」 初回タイムアタックでは、開発中だったマフラーやサスペンションキットに加え、軽量化および社外製のタイヤ、ホイール、ブレーキ、シートを装着した基本的な仕様で走行し、1分1秒855という好タイムを記録した。その後も仕様を更新しながら走行を重ね、2026年1月現在のベストラップは55秒001となっている。このタイムは、GR86をベースとしたチューニングカーにおける筑波サーキットコース2000の記録タイムだ。
HKS Racing Performer GR86によって得られたデータやノウハウは、マフラー、サスペンション、ターボキット、冷却部品、ECU、エアロ部品など、多岐にわたる市販商品へとフィードバックされている。
HKSは1973年の創業以来、自動車用アフターマーケットを中心にエンジン部品、ターボ、マフラー、サスペンション、エアクリーナー、電子制御部品など高性能部品を世界中の車好きに提供し、チューニングの文化を築き上げたリーディングカンパニーだ。近年は高効率エンジンの研究開発など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも推進している。




