日本通運は、都市部の建設需要に対応するため、建設資材の共同配送と建設現場内の搬入・間配り支援を組み合わせた都市型物流スキーム「建設ロジスティクス」を開始すると発表した。
都市部の高層ビルなどの建設現場では、各メーカーが個別に資材を納入するため運搬効率が悪く、車両の集中・待機が常態化し、周辺道路の交通渋滞やCO2排出量の増加が課題となっていた。また、人手不足が深刻化する中、荷受け・仕分け・運搬といった付帯作業が現場で滞留し、職人が本来の専門作業に集中できず、生産性を低下させる要因となっていた。
日本通運はこれらの課題を解決するため、倉庫・輸送・オフィス移転で培ったノウハウを活かし、物流から建設現場の最適化を支援する新たなスキームを構築した。
このスキームは、都市近郊に配置した門前倉庫に各メーカーの資材を集約し、WMSで在庫と入出庫を一括管理し、建設工程に合わせて必要な資材を複数メーカー分まとめてジャストインタイムで共同配送するものだ。
現場到着後は、日本通運がエレベーター運用会社と連携し、エレベーター積み込み、各フロアでの横持ち(間配り)までを一貫して実施する。さらに、復路は往路で使用したロールボックスを端材回収容器「NRBOX」として活用し、広域認定制度により再資源化する。
スキームの特徴は4点ある。第1に、複数メーカーの資材を倉庫内でフロアごとに仕分け後、積み合わせて一括納品することで、車両台数と到着時間のばらつきを抑え、朝の搬入ラッシュや待機を軽減する。第2に、エレベーターの予約・運用と連動し、エレベーター積み込みから各フロア・各室への間配りまでを日本通運が一括手配する。第3に、荷下ろしからエレベーター積み込み、フロア内の移動までカゴ車・平台車で一貫運用し、床直置きや積み替えを減らし、作業負荷を軽減する。第4に、キャスター付きロールボックス「NRBOX」で複数品目の端材を同時回収し、回収した端材は建設材へ再資源化される。
本スキームによる期待される削減効果は、建設現場における作業効率の改善が最大50%、納品車両の待機時間ゼロ、CO2排出量の削減が最大40%となる。
まず、建設需要のピークが見込まれる東京都心と大阪府下で、同社所有の倉庫を活用し、ゼネコン数社と取り組みを開始する。今後順次取り扱い拠点を拡大する。
また、この共同配送でCO2排出量を削減するプロジェクトを、J-クレジット制度へ登録を進める。日本通運は運営管理者として、登録・申請・検証・発行に至るまでのプロセスを一括支援し、売却した収益を参加企業のニーズにあわせて還元する体制の整備を目指す。
本取り組みを複数の建設会社・専門工事会社・サプライヤーが参加する共同配送へと拡大し、都市建設に共通する「建設物流プラットフォーム」の構築を推進するとともに、建設業界全体へ2050年のカーボンニュートラルの実現を加速する。




