南海の新型観光列車、エクステリアを先行公開 「GRAN 天空」が4月24日運行開始

GRAN 天空 1号車
GRAN 天空 1号車全 26 枚

南海電気鉄道は2月16日、4月24日から運行開始を予定している新型観光列車「GRAN 天空(グラン テンクウ)」の車両外観を、大阪府河内長野市内の千代田工場で報道関係者に公開した。

【画像全26枚】

GRAN 天空は、現在運行中の観光列車「天空」に代わる新たな観光列車だ。従来の天空は橋本駅(和歌山県橋本市)~極楽橋駅(和歌山県高野町)間で運行していたが、GRAN 天空は新たに難波駅(大阪市中央区)~極楽橋駅間を結ぶ。GRAN 天空は、良質でホスピタリティあふれるサービスと、四季折々の風景を通じて、列車の旅そのものが特別な体験となることをめざす。

●外観デザインは深紅をベースにゴールドの装飾

GRAN 天空は2000系車両を改造した4両編成だ。外観は深紅をベースに、ゴールドを基調とした装飾を施した。側面デザインは、南海電鉄の社章「羽車マーク」から着想を得た、羽根を広げる意匠を採用。旅の可能性を広げてほしいという願いを込めた。

高野山に咲くシャクナゲや、難波駅駅舎に用いられているアカンサスなど、沿線ゆかりの植物をモチーフにした装飾も随所に散りばめた。デザインには、明治から大正、昭和初期のアーツ&クラフツの精神や、アールヌーボーの有機的で繊細な表現を取り入れた。線の強弱やカーブの角度までこだわったという。

GRAN 天空 1号車GRAN 天空 1号車

●聖域とは対極にある内装デザイン

内装は現在製作中で、今回の公開では未発表だが、ラグジュアリーなテイストを重視したそうだ。GRAN 天空の終点の極楽橋は、俗世と聖域である高野山を分ける場所と伝えられる。道中は、聖域とは対極にある「俗世」を体験する空間になるわけだ。

3号車と4号車は、アーバンハイクラスホテルのロビーラウンジのような重厚感と落ち着きを持つデザインとする。1号車と2号車はこれらと異なるコンセプトで、多様なニーズに応える。1号車の天井には沿線の工芸品や歴史を描いたイラストを施し、座席にはシャクナゲなど沿線の植物をデザインする。紀州材や沿線ゆかりのアート・工芸品も活用し、高品質でゆったりとした旅をめざす。

料金はシート別に設定する。リラックスシート(1号車)とワイドビューシート(2号車)は、難波駅~極楽橋駅間で大人1700円とした。グランシートおよびグランシートプラス(4号車)は、ドリンク付きや食事付きのプラン別料金とする。

GRAN 天空 2号車GRAN 天空 2号車

●旅のスタイルは変化、移動そのものを楽しむ

近年は、目的地に到着するだけでなく「移動そのものを楽しむ」旅行スタイルが広がっている。世界遺産・高野山を訪れる国内外の観光客も増加している。

こうした背景を受け、南海電鉄では「GRAN 天空プロジェクト」を始動した。2009年から運行してきた観光列車天空の後継として、なんばから極楽橋までの移動自体を旅の目的とする列車を創出する。

南海電鉄の社史によると、1906年には私鉄として先駆的に食堂車を導入していた。今回のプロジェクトでは、その進取の精神を受け継ぎ、食事提供を含む新たなサービスにも挑戦する。

南海電鉄の路線は、南大阪から和歌山にかけて広がる。都会的な難波周辺、関西国際空港を有する泉州エリア、そして世界遺産の高野山や百舌鳥・古市古墳群など、多様な魅力を持つ。観光、グルメ、温泉、歴史文化など幅広い楽しみ方ができる地域だ。

GRAN 天空 3号車GRAN 天空 3号車

●運行区間は難波発着に

GRAN 天空は難波駅~極楽橋駅間約63.6kmを運行する。従来の橋本駅~極楽橋駅から、新たに大阪都心発着に延長される。南海電鉄ではGRAN 天空の運行開始に合わせて、難波駅1番線の降車専用ホームを、新観光列車専用の「0番のりば」として美装化する。

ホームを単なる乗降の場ではなく、高野山へと続く“高野路”の始まりを演出する空間とする。従来の「天空」始発駅の橋本には専用乗り場がなかったが、新列車では始発から特別感を高める。

●従来の観光列車「天空」は延べ44万人が利用

現行の観光列車、天空は2009年7月3日に定期運行を開始し、橋本駅~極楽橋駅間で運行してきた。2200系2両編成で、指定座席数は76席。ワンビュー座席や4人掛けコンパートメント座席、展望デッキスペースを備える。

2024年度は約2万2000人が利用した。定期運行開始以降の累計利用者は約43万8000人(2025年12月末時点)になる。定期運行は2026年3月20日に終了する。終了後は団体向け貸切列車として不定期で運行する予定だ。

《高木啓》

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