マクニカは2月18日、オーストラリアのApplied Electric Vehicles Ltd(Applied EV)と、主に物流・産業分野などにおける自動運転の社会実装に向けて、開発・商業化・展開に向けた戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
物流・産業・公共交通などの幅広い分野では、深刻なドライバー不足や運用コスト上昇といった課題に直面しており、これらの課題を解決するため、さまざま領域で自動運転技術の開発が進められている。特に、乗用車やバスなど、人の移動を目的とした自動運転車両の開発が積極的に推進されている。
一方、物流・産業分野などにおいては、人が乗ることを前提として設計された自動運転車両ではニーズを満たすことが困難なため、それぞれの用途に応じた個別の車両開発が必要となる。しかしながら、多種多様な用途ごとに自動運転車両を開発することは、開発リソースの分散や重複投資を招き、結果として非常に非効率になるといった課題がある。
Applied EVは、自動運転車両のベースモデルを開発している企業で、創業以来、マルチ用途に使えるEV台車を開発している。自動運転導入から遠隔運行管理までの知見をもつマクニカが同社と協力していくことで、物流・産業分野における自動運転車両の導入を加速していくことを目指す。
「Blanc Robot」は、キャビンがなく、ハンドルやアクセル・ブレーキペダルといった操作系を一切搭載していない、従来の車両概念を大きく変えるテーブルトップ型EVプラットフォームで、Applied EVとスズキが共同開発した。最大の特徴は、用途に応じて荷台モジュールや自動運転ソフトウェアを自由に組み替えられる点にある。
「Blanc Robot」をベース車両として活用することで、物流・産業分野における多種多様な用途に合わせた自動運転車両を効率よく開発することが可能となる。また、搭載する自動運転ソフトウェアにより車両全体を統合的に制御することで、自動運転レベル4に対応し、人の操作を必要としない完全自動走行を実現する。
現在、工場や倉庫での自動搬送用途では、多くのAGV(無人搬送車)やAMR(自律移動ロボット)が存在しているが、「Blanc Robot」は、屋内に加え公道(レベル4は要申請)や悪路での走行も可能なユニークな自動運転車両だ。
想定される活用事例としては、工場や倉庫から屋外への輸送など、従来の固定ルートにとらわれない柔軟な自動運搬の運用が可能になる。また、公道走行可能な自動運転レベル4対応することで、物流における最終配送区間であるラストワンマイルへの本格的な展開が可能となる。
マクニカは、これまでの工場自動搬送や自動運転EVバスへの取り組みから得た知見をもとに、自動運転に必要なセンサー、自動運転アルゴリズムを選定し、インテグレーションすることで、個々の現場に合わせた「Blanc Robot」を仕立てることができる。
また、マクニカが開発した遠隔運行管理システム「everfleet」と連携することで、効率的な車両活用を実現するオペレーション設計、安定運用とコスト最適化を両立する運行管理において、円滑な運用を支援する。マクニカは、現場のニーズに合わせたインテグレーションから導入後の運行支援まで一貫して伴走することで、それぞれの現場に最適化された自動運転車両ソリューションを提供する。
マクニカは、Applied EVの「Blanc Robot」の機能を最大限に活用し、自動運転の社会実装に向け、物流・産業分野などにおいて、段階的かつ戦略的な展開を進めていく。また、これまでの自動運転EVバスの開発・導入・運行支援で蓄積した公道での豊富な知見をベースに、ラストワンマイル物流領域への本格展開を目指していく。




