ローデ・シュワルツは、アップグレードしたCMX500ワンボックス・シグナリング・テスタを、3月2日にスペインで開幕するMWC 2026に出展すると発表した。
CMX500無線機テスタの機能を拡張し、すべての非地上系ネットワーク(NTN)技術をカバーできるようにした。業界で他に類のない包括的なソリューションとして、信頼性の高いNTNサービスを展開できるよう支援する。
CMX500は、ネットワークとデバイスの両レベルでのNR-NTNテストに対応した機能を数多く備えている。
CMX500ワンボックス・シグナリング・テスタは、NTNテスト向けのオール・イン・ワン多機能プラットフォームへと進化を遂げ、1台でNR-NTNとNB-NTN、Direct-to-Cell(D2C、DTC)技術に対応できるようになった。このCMX500があれば、いくつもの計測器を必要とすることなく、ユーザーはネットワークとデバイスの両レベルですべてのNTN技術をテストできる。そのため開発が加速し、新しいNTNサービスでも確かな品質のもとで自信を持って展開可能になる。
NTNが5Gとともに成熟し6Gへ向かおうとするなか、その潜在的な能力を実現していくには重要な技術的ハードルの克服がカギとなる。地上系ネットワークとは異なり、NTNでは衛星という本質的に動的なものであるため、その通信には特有の課題がある。衛星の高速な運動から、たとえば周波数のドップラー・シフトや伝搬遅延の変動、大きな伝送損失などにより信号特性が頻繁に変化するためテストには高度なチャネル・エミュレーションが必要となる。また、複数の軌道(LEO、MEO、GEO)と周波数帯を使うとさらに複雑さが増し、地上系ネットワークで一般的な時分割複信(TDD)ではなく、周波数分割複信(FDD)が求められる場合もある。
CMX500は5Gエコシステムにおいて確かな実績をもつ計測器だが、ここ最近の取り組みとして、ローデ・シュワルツは衛星通信に特有の複雑さにも対応できるように機能を大幅に拡張してきた。これによって、CMX500は主に2つのテスト構成をサポートできるようになっている。Full Satellite Access Network(SAN)エミュレーションによって完全なNTNアーキテクチャをシミュレートしてデバイスの包括的なテストを行うデバイスメーカー向けの構成と、gNBおよび5Gコアネットワークをエミュレーションしながら規格準拠のセルラー技術に対して衛星ネットワーク・コンポーネントを検証する衛星ネットワーク事業者向けの構成である。
またConstellation Insight ToolがCMX500をさらに強化して、NTNテストシナリオをサポートする。このソフトウェアにより、エンジニアの皆様は効果的に実際の上空のデジタルツインを構築して、衛星コンステレーションをリアルタイムに可視化し、その運動を管理しつつ軌道を分析できるようになる。精密なエフェメリス・データを組み入れた現実的な運動と通信障害補正のシミュレートや複雑なハンドオーバー・シナリオに対応でき、自動的な展開・運用とハンドオーバーを可能にする。
ローデ・シュワルツはさらに、多様なStarlink LTE-DTCテストシナリオが含まれるXLAPI Pythonテストケース・パッケージも提供している。これらのシナリオは、たとえばDTCモードにおけるLTEのアタッチ時間と成功率、Event A3ハンドオーバー、同一周波数のLTE DTCセル間でのセル再選択、LTE DTCセルにおける無線リンク障害(RLF)後の通信回復などをカバーする。また、AI搭載のスクリプト生成ツールScriptAssistによって、NTN固有の研究開発プロトコルやアプリケーション・テストのほか、計測器の自動化のためのスクリプトをもっと迅速に作成できるように、もう一歩踏み込んだ支援もユーザーに提供する。
そのうえ、ローデ・シュワルツのCMX500はコンフォーマンス試験においても業界をリードする存在であり、3GPPリリース17に基づくNR-NTNのための検証済みテストケースを最も多く提供して、NTNコンフォーマンス試験とキャリア受入テストをサポートする。しかも、その検証についてはプロトコル適合性試験(PCT)、無線周波数(RF)、無線リソース管理(RRM)という3つの重要なテスト領域すべてで実施済みだ。
特にCMX500は、伝搬エミュレーションとフェージングを区別できる唯一のNTNテストソリューション。ドップラー効果や遅延、散乱などの宇宙・地上間の影響と、反射やレシーバに起因したドップラー効果といった地上での障害を分離して扱える。そのため、宇宙・地上間の影響と地上での障害が互いに独立したモデルを構築・制御でき、NTNシナリオのより正確で柔軟なテストが実現する。




