カーオーディオを高性能化していこうとするとき、問題となるポイントが1つある。それは「どんなシステム形態を取るか」だ。実はひと口にカーオーディオシステムと言っても形態がさまざまある。今回からスタートする当連載では、そこのところを深掘りしていく。
もっとも基本的なシステム形態はズバリ、「パッシブ・システム」!
今回は、もっともベーシックなシステム形態である「パッシブ・システム」について解説していく。現代カーオーディオでは高度なシステム構築法がいくつか存在しているが、純正オーディオシステムからの発展型の第一歩となるのは、この「パッシブ・システム」だ。
では、これがどのようなものかを詳しく解説していこう。まず「パッシブ」とは、「パッシブクロスオーバーネットワーク」のことを指す。これはつまりは、「音楽信号の帯域分割を行う装置」だ。これをスピーカーの手前に置くシステム形態が、「パッシブ・システム」と称されている。
カーオーディオシステムをアップグレードしようとするときには、スピーカー交換から始められることが多いが、市販スピーカーの多くは「2ウェイ」以上となっていて、例えば「2ウェイ」では高音再生を担当する「ツイーター」と中低音再生を担当する「ミッドウーファー」、この2つを左右に1つずつ置いて、それらにて全帯域の再生を実行することとなる。
「パッシブクロスオーバーネットワーク」が付属された「2ウェイスピーカー」の一例(フォーカル・PS 165 FE)。
「スピーカー」の手前に信号分割の装置を置くのが「パッシブ・システム」!
なお「メインユニット」からは普通、フロントスピーカー用の音楽信号は左右に1系統ずつ出力される。つまり右側のスピーカーと左側のスピーカーのそれぞれに、フルレンジの音楽信号が送り込まれる。なのでそれを再生するスピーカーが「2ウェイ」であるならば、フルレンジの信号を高音と中低音とに分割する必要性が生じる。その作業を「スピーカー」の手前で行うこととなるのが、「パッシブ・システム」というわけだ。
ちなみにシステムを簡略化するために、「ミッドウーファー」にはそのままフルレンジの信号が送り込まれることもある。とはいえ少なくとも「ツイーター」にには、中低音をカットした信号を送り込まなければならない。そうしないと「ツイーター」が破損するからだ。
というわけで、ツイーターの手前だけに中低音をカットするための「パッシブ」が置かれるシステム形態が、もっともシンプルな「パッシブ・システム」の形となる。
「パッシブクロスオーバーネットワーク」が付属された「2ウェイスピーカー」の一例(フォーカル・ES 165 K2S)。高音と中低音とに信号を切り分けるのが、丁寧な「パッシブ・システム」!
しかしながら、「ミッドウーファー」に対しても高音をカットした信号を送り込んだ方が良い。そうすることで「ツイーター」と「ミッドウーファー」の役割分担がしっかり成される。結果、「2ウェイ」のメリットがより確実に発揮されることとなる。
で、このときには「パッシブをどこに置くか」がシステム構築時の懸案事項となる。やり方は主には2つある。1つは「メインユニット」のすぐそばに置くやり方」で、もう1つは「スピーカーの手前に置くやり方」だ。
なお、この2つのうちのどちらを選ぶかはインストール上の都合によって決められることが多い。「パッシブ」がある程度小型なら、メインユニットの裏側やダッシュボード内の空きスペースにこれを置ける。そうしてそこから「ツイーター」と「ミッドウーファー」とにケーブルを配線すればシステムが出来上がる。
しかし「パッシブ」がある程度大きいとドア内部に取り付けた方が都合が良い。そしてその場合には、ドア内部まで純正の配線を活用するという選択肢も取れる。。
今回は以上だ。次回は「パッシブ・システム」の利点と不利点とを説明していく。乞うご期待。




