本田技研工業(ホンダ)の子会社でモータースポーツ事業を担うホンダ・レーシング(HRC)は2月27日、東京で記者会見を開き、2026年シーズンのFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)開幕を前に、プレシーズンテストで発生したトラブルの状況を説明した。
●5年ぶりに復帰、アストンマーティンと組んで
Hondaは2026年シーズンから、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームにワークスパートナーとしてパワーユニット(PU)を供給し、5年ぶりにF1へ本格復帰する。
直前に実施されたバルセロナおよびバーレーンでのプレシーズンテストでは、マシンに異常振動が発生。想定していたパフォーマンスを十分に発揮できなかったという。
●異常振動でバッテリー系にダメージ
会見でHRCの武石伊久雄専務は、テスト中に発生した主な障害について「異常振動によってバッテリーシステム系にダメージを被ったことが大きな障害である」と説明した。
起震源はPUにあるとしつつも、「車1台として見た場合、複合要因で異常振動が起きている」と述べた。従来はなかった問題が、今回顕在化した理由については、「レギュレーションが大きく変わったことも一因」と指摘。そのうえで、「ここが原因だと特定できる状況ではなく、解明は容易ではない」との認識を示した。
ホンダRA626Hエンジン(1月20日)
●解決が長引く可能性も
武石専務は「対策案を走らせている最中」と説明。トランスミッションやエンジンなど特定部位に原因が絞り込めれば対応しやすいが、「1つを直せば解決する問題かどうかも分からない。長引く可能性も否定できない」と述べた。
いっぽうで「気合だけで言うと、すぐ直したい」とし、開幕戦までの短期間での立て直しに強い意欲を示した。
●渡辺社長「困難こそ挑戦の本質」
HRCの渡辺康治社長は、今回のテストを「極めて厳しいものだった」と総括。想定パフォーマンスに届かなかったことを認めたうえで、「課題を可視化できたという意味では重要なプロセスだった」と前向きに捉えた。
HRCの渡辺社長(2月27日)現在はエンジニアやメカニックが現場と密に連携し、昼夜を問わず改善に取り組んでいるという。アストンマーティン側とも率直な議論を重ね、「これまで以上に一丸となって難局打破の具体策を進めている」と語った。
また、「大きな困難に直面した時こそ組織は強くなり、技術は磨かれ、人は育つ」と強調。「泥臭くあがく姿こそが挑戦の本質」と述べ、逆境を成長の機会とする姿勢を示した。
2026年シーズンの開幕戦は3月8日決勝のオーストラリアGP。日本GPは鈴鹿サーキットで3月29日に決勝が行なわれる予定だ。




