「このeバイク、万能すぎ!?」本格パーツ満載、ヤマハの新型『CROSSCORE RV』は、まさしく“eバイク界のSUV”だった

ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)
ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)全 44 枚

電動アシスト自転車アシスト自転車のパイオニア、ヤマハ発動機から、その集大成ともいえる一台が登場した。モデル名は『CROSSCORE RV(クロスコアRV)』。現行のクロスバイクタイプのeバイク『CROSSCORE RC(クロスコアRC)』が街乗りの快適さを極めたモデルなら、今回の「RV」が冠するのは、まさにクルマの世界でいう「SUV」的な万能性だ。

【詳細画像】ヤマハの新型『CROSSCORE RV』

◆街乗りだけではもったいない!「RV」が目指したSUV的境地

ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)

ヤマハが2015年に初代『YPJ-R』を世に送り出してから、早いもので10年。その間、本格e-MTBの『MT-Pro』や、グラベルロード『WABASH RT(ワバッシュRT)』など、アシストの力で「遊び」の幅を広げる名車を送り出してきた。

今回の「クロスコアRV」の開発背景にあるのは、非常にリアルなユーザーの声。

「MTBを買ったけれど、実は一番乗っているのは街中」「通勤をただの移動ではなく、アクティビティに変えたい」「でもたまにはキャンプや林道にも挑戦してみたい」。そんな欲張りなマインドを受け止めるために生まれたのがこのバイクだ。

コンセプトは「365 Days 1 Bike」。『YPJ-XC』のタフな走りと、街乗りに最適な「クロスコアRC」の扱いやすさを高次元で融合させた、まさに毎日1台の自転車で遊ぶ「eバイク界のSUV」の誕生と言えるだろう。

◆「PWseries S2」がもたらす“自然な”加速力

「PWseries S2」ドライブユニット「PWseries S2」ドライブユニット

まず注目すべきは、ドライブユニットだ。すでに「RC」などに搭載されている小型で軽量、さらにパワフルな「PWseries S2」をセット。

このユニットの良さは単に「力が強い」だけではなく、漕ぎ出した瞬間のレスポンスが極めて自然という特徴もある。信号待ちからの発進で、グッと踏み込んだ瞬間に背中をそっと、しかし力強く押されるような感覚。これはヤマハが長年培ってきたセンサーシステムと、新世代ユニットの制御プログラムがなせる技。

また、前作から引き継がれた「オートマチックアシストモード」は、この新ユニットでさらに洗練された。平坦路での巡航から、急に現れる坂道まで、ライダーはギア操作に集中するだけでいい。アシストモードをカチカチと切り替える煩わしさから解放され、景色や自身のライディングに没入できる。

◆オーバースペック!? とも言える「本格パーツ」の採用

ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)

スペック表を見て、思わず二度見してしまったポイントがある。それはクロスコアRVにセットされたコンポーネントの豪華さだ。

リアディレイラーにシマノの12速システムを採用した点もすごいところ。特にロー側(軽いギア)が51T(51の歯数という意味)という巨大なスプロケットは、本来なら急勾配を上る本格MTBに装備されるものだが、これをクロスバイクベースのRVに積んできたところに、ヤマハの遊び心を感じる。これなら、キャンプ道具を積載しての激坂登坂も、鼻歌まじりでこなせるはず。

ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)

さらにブレーキにはドイツの名門マグラ(MAGURA)製をチョイス。単に「止まる」だけでなく、握り込みに応じて繊細に制動力をコントロールできるこのブレーキは、雨の日の通勤や、下り坂のオフロード走行で絶大な安心感をもたらしてくれる。

もっとも豪華さを感じるのは「ドロッパーシートポスト」だ。手元のレバーでサドルの高さを瞬時に変えられるこの機能は、本来、MTBで上る時にサドルを高めに、反対に下りの時にはサドル低めにすることで、サドルがペダリングの邪魔にならないようにするもの。しかし、実は街乗りでも最強の武器になる。信号待ちではサドルを下げて両足をベタつきにし、走り出したら最適な高さまでシュッと上げる。この快適さを一度知ると、もう元には戻れない。

ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)

◆道具としての機能美、利便性とスタイルの融合

クロスコアRVの素晴らしいところは、これほどまでの「戦闘力」を持ちながら、日常を一切犠牲にしていない点だ。

多くのスポーツeバイクが、見た目のために取り払ってしまう「サイドスタンド」を標準装備。さらには、オプションでフェンダー(泥除け)やキャリアをスマートに装着できる拡張性も確保されている。

「普段はシュッとしたスタイルで通勤し、週末はキャリアにテントを積んで裏山へ」。そんなライフスタイルが、これ1台で完結する。まさに「365 Days 1 Bike」だ!

ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)ヤマハ CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)

デザイン面でもバッテリーをフレーム内に収めたクリーンなシルエットは健在。オフロードパーツの武骨さと、都市に溶け込む洗練されたフレームラインが絶妙なバランスで共存しており、所有欲を刺激する。

と、ここまで豪華なパーツについて言及してきたが、実は乗ってみて「これいい!」と感じたのがハンド幅の広さだ。「それだけ?」と感じる方もいるかもしれないが、RC(570m幅)に比べてかなり乗り味が違う。

ヤマハ CROSSCORE RV(左)とCROSSCORE RC(右)のハンドルの違いヤマハ CROSSCORE RV(左)とCROSSCORE RC(右)のハンドルの違い

もちろん体格にもよるが、730mm幅のハンドルはバイクの挙動が抑えやすく、安定感を増してくれる。この安定感なら、かなりの悪路にも対応可能。もちろん街乗りの安定感は言わずもがな(ただし道交法的に、このハンドル幅は歩道走行ができないので注意が必要)。

クロスコアRCが「移動をスポーツにする」バイクだったなら、このRVは「移動を冒険にする」バイク。舗装状況の高い日本の道路だが、あえて未舗装路をみつけて「小さくてもいいから冒険したくなる気持ちにさせてくれる」…そんなeバイクに仕上がっている。

ヤマハ CROSSCORE RV(左)とCROSSCORE RC(右)ヤマハ CROSSCORE RV(左)とCROSSCORE RC(右)

《今 雄飛》

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