来たる3月31日、オンラインセミナー「激変するインド自動車産業2026」が開催される。セミナーに登壇するのは、PwCコンサルティング合同会社 ストラテジーコンサルティング Strategy&ディレクターの阿部 健太郎氏と、PricewaterhouseCoopers Pvt Ltd One Consulting Intelligent Digital Enterprise Directorの土井 俊悟氏。
世界第3位の自動車市場へと成長し、世界中の自動車メーカーやサプライヤーがインドに注目している。それは単なる巨大市場としてだけでなく、SDVやデジタルイノベーションの世界的な開発拠点へと進化しつつあるからだ。
日本企業としてインドでのビジネス機会を活用するには、どのような視点が必要になるだろうか。
今回のセミナーは以下のテーマで進められる予定だ。
1.成長の原動力:インド自動車産業を取り巻くマクロ環境
2.インド自動車産業の独自エコシステム
3.India to India / India to Global: 主要国・地域との通商関係含むサプライチェーン構造
4.日本企業への示唆
5.質疑応答
世界3位の市場を牽引する国家ビジョン「7C」とは
インドの自動車市場は、4輪車で世界3位(約500万台)、2輪車では世界1位(約2000万台)という圧倒的な規模を誇る。モディ政権が進める「自動車ミッションプラン2016-2026」では、インドを世界3位の自動車市場に拡大し、自動車産業のGDP貢献度を12%まで引き上げ、6500万人の雇用を創出するという野心的な目標を掲げてきた。
この目標に対して、世界3位の市場という目標は達成された。またGDP貢献度は9~10%程度、雇用創出は4000万人弱に留まっており、目標値には届かなかったものの、近い水準まで達しており、なお市場の勢いは衰えていないという。
そしてこの自動車ミッションプランが終わる2026年以降の動きについて、PwCコンサルティング合同会社 ストラテジーコンサルティング Strategy&ディレクターの阿部 健太郎氏は、モディ政権が掲げる「7C」というフレームワークが今後の自動車産業の方向性を決定づけると指摘する。
「モディ首相が掲げる『7C』とは、Common(共有)・Connected(コネクテッド)・Convenient(利便性)・Congestion-free(渋滞のない)・Charged(電動化)・Clean(クリーン)・Cutting-edge(最先端)を指します。これは単なるスローガンではなく、今後の自動車産業が単に『作る』だけでなく、交通インフラやデジタル技術とどう融合していくかを示す重要なロードマップなのです」
一方で、深刻な渋滞や、幹線道路の整備の遅れが自動車市場成長の阻害因子となっている現実もある。バンガロールなどの都市部では、バイパスのない道路インフラが深刻な停滞を招いており、社会課題の解決が急務となっている。
コスパ重視の価値観に変化
かつてのインド市場は価格競争力がすべてであったが、現在の消費者は、プレミアム性や安全性を強く求めるようになっている。特筆すべきは、デジタル技術に対する受容性の高さだ。
「日本でSDVに関する市場調査を行うと、消費者の反応はどうしても保守的になりがちですが、インドの消費者はSDVに対して非常に前向きです」と阿部氏は語る。
「インドの最新モデルのBEVを見ると、スペックや機能は先進国のモデルと遜色ありません。現地の消費者にとって、新しいデジタル機能が搭載されていることは一種のステータスであり、それがカタログ上の“見栄え”として非常に重要な要素になっています。機能のすべてを使いこなすかどうかよりも、最先端の技術を所有しているという満足感が購買動機に繋がっているようです」
世界のR&Dを支える“GCC”としてのポテンシャル
インド自動車産業の真の価値は、市場規模以上に、人材と開発力にある。阿部氏によると、「現在、インドには60社以上の自動車関連企業がグローバル・ケイパビリティ・センター(GCC)を設立しており、そのうち3割をOEMが占めている」という。
「ドイツのグローバルサプライヤーは国外で最大規模のR&D拠点をインドに構えており、OEMで販売事業からは撤退したものの、ソフトウェア開発の拠点としてインドを活用し続けているところもあります」

![世界3位のインド自動車市場を読み解く…PwCコンサルティング 阿部健太郎氏・PwC India 土井俊悟氏[インタビュー]](/imgs/thumb_h2/2195839.jpg)

