ブリヂストンが新研修施設「B-SLC」公開、タイヤ館スタッフの技術と接客力を強化

冒頭挨拶をした  代表執行役 副社長BRIDGESTONE EAST CEO の田村亘之氏
冒頭挨拶をした  代表執行役 副社長BRIDGESTONE EAST CEO の田村亘之氏全 18 枚

ブリヂストンが東京都小平市に新設した「B-Solution Learning Center(ビー・ソリューションラーニングセンター、以下B-SLC)」を報道陣に公開した。タイヤ館スタッフらの研修を担う新拠点として注目を集めている。

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◆タイヤメンテナンス技術と接客力を磨く新研修施設

B-SolutionLearningCenter 全景B-SolutionLearningCenter 全景

ブリヂストンは、タイヤのメンテナンス技術向上や顧客へのソリューション提案力強化に向けた人財育成を目的に、新たな研修施設「B-Solution Learning Center」を設立した。同社系列のタイヤ販売店「タイヤ館」のスタッフなどを中心に、タイヤ交換手順や接客対応などを学ぶための施設だ。

ブリヂストンは2023年まで千葉県市川市に研修センターを有していたが、同施設の閉鎖後は「タイヤ館」などを活用して研修を続けてきた。市川市の研修センター閉鎖と同時期に新施設の構想が立ち上がり、東京都小平市の広大な同社施設内にB-SLCが設立された。

テープカットの様子テープカットの様子

B-SLCは建屋内施設と建屋外施設に分かれている。建屋内施設には3つの研修室があるほか、最新のタイヤ館店内展示を再現した「接客・商談スペース」を用意。デジタル技術を活用した、よりリアルな商談研修が実施される。

◆作業ピットでは消費財と生産財の両方に対応

消費財ピットの設備消費財ピットの設備

建屋内施設には作業ピットも配置されている。作業ピットは消費財ピットと生産財ピットに分かれており、消費財は一般の乗用車やオートバイなどで使われるタイヤ、生産財は運送や建設などで使われるタイヤを指す。

消費財ピットでは、PC(パッセンジャーカー)用のオートチェンジャーが配置されていた。オートチェンジャーはタイヤをホイールから外す作業を自動で行う機械だ。ホイールに取り付ける際は若干人力を要するものの、作業を見ているとかなり楽に進められることがうかがえた。タイヤレバーを使うマニュアル式チェンジャーとは異なり、作業時にレバーや爪などがホイールに触れることがないため、高級アルミホイールでも安心して作業できる。

アライメント計測もできるリフトはEVなどの重量車にも対応するタイプアライメント計測もできるリフトはEVなどの重量車にも対応するタイプ

タイヤ組み替え時は、タイヤチェンジャーで交換した後にエアを注入し、タイヤをホイールにかん合させる。従来の一般的な作業フローでは、タイヤチェンジャーから一度フロアにタイヤを移し、そこからエア注入場所へ移動する必要があった。かん合時にはまれにホイールが破損することがあるため、ケージ内などで作業を行う必要があるからだ。B-SLCでは、タイヤチェンジャーとエア注入エリアの間に上下可動式の小さなテーブルを配置。タイヤを転がしてスムーズに移動できるようにし、省力化を図っていた。

◆接地確認設備や大型車向け設備も導入

タイヤ接地状態を路面側から確認できる タイヤ空気圧200kPaの状態タイヤ接地状態を路面側から確認できる タイヤ空気圧200kPaの状態

また消費財ピットには、タイヤの接地面を路面下から見られる設備も設けられていた。路面の一部をガラスに変更し、そこに白い粉体と水をまいてクルマのタイヤを乗せることで、タイヤがどのように接地しているかを目視できるようになっている。取材時は左右で異なる空気圧に設定されたレクサス『NX』が置かれており、空気圧の違いによる接地面の変化を観察できるようになっていた。

生産財ピット。縦長の赤い支柱に見えるのがバリアスツールハンガー生産財ピット。縦長の赤い支柱に見えるのがバリアスツールハンガー

生産財ピットでは、大型タイヤ交換用のバリアスツールハンガーと呼ばれる装置が導入されていた。大型車のホイールナットを脱着するエアツールは、自重が8kg程度とかなり重い。従来は作業者がその重いツールを持ち上げて作業していたが、バリアスツールハンガーでツールを吊ることで負担を軽減し、作業効率を高めている。また、ここで使われていたエアツールは設定したトルクで締め付けが可能で、モニターにも作業部位と締め付けトルクが表示されるため、作業ミスの低減にもつながる。

う高速道路出張サービス研修路に置かれたロードサービス車う高速道路出張サービス研修路に置かれたロードサービス車

建屋外には、高速道路でのタイヤトラブル対応を行う高速道路出張サービス研修路が設けられている。この研修路は高速道路の路肩と走行車線を再現しており、危険を伴う高速道路上でのタイヤトラブル対応作業などを習得できるようになっている。JAFのロードサービスでは、車両重量3トンを超える車種は燃料切れとキー閉じ込みのみの対応となり、タイヤトラブルなどには対応しない。一方、ブリヂストンのロードサービス「ブリヂストンサービスネットワーク」は事前登録制で24時間体制のタイヤトラブル対応を行っており、この研修路はそのための実践研修の場となる。

◆2026年中には通過型タイヤ残溝計測システムも導入へ

タイヤ館店内を模した研修施設タイヤ館店内を模した研修施設

今回の報道公開には設置工事が間に合わなかったものの、建屋外には「通過型タイヤ残溝計測システム」を2026年中に設置する予定だ。この装置はクルマが通過する際に、タイヤの残溝とアライメントを自動計測できるもの。実店舗に導入することで、新たな提案機会やビジネス拡大につなげていく考えだ。

B-SLCでは、タイヤ館スタッフを中心に年間1000人程度の研修を行う予定だ。新施設の稼働によって、タイヤ館スタッフのスキルは今後さらに高まっていきそうだ。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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