【マツダ CX-80 新型試乗】乗るたびに「熟成が進んでいる」と感じさせる…中村孝仁

マツダ CX-80 XDドライブエディション
マツダ CX-80 XDドライブエディション全 35 枚

2026年3月にマツダ『CX-80』が、商品改良を受けた。いわゆるマイナーチェンジというやつだが、あえてマツダはそれを商品改良と呼び、ほぼ毎年のように行うのが慣例だ。

【画像】マツダ CX-80 XDドライブエディション

今回の変更は商品ラインナップの見直しをはじめ、マツダコネクトの操作性改善や、静粛性の向上、並びに安全性のさらなる向上といった、走って確かめることのできる改良点は含まれていない(静粛性は確かめられるが)。しかし自動車メーカーは目に見えない、あるいは顕著に何かを変えたという以外は案外ニュースとして発信しないもので、実際は乗ってみて初めて「あれっ?」となることが多い。そして今回もその例に漏れず、「あれっ?」があった。

CX-80のデビューは2024年。まだ2年しか経っていないけれど、とりあえず最初の商品改良が今回、というわけである。

◆『CX-60』で感じていたネガは

マツダ CX-80 XDドライブエディションマツダ CX-80 XDドライブエディション

改めて使ってみると、やはり大きさは少し気になる。Uの字を書いた白線のあるパーキングスペースに入れても、その白線内に入れるのはぎりぎり。1890mmという全幅が、日本ではこれがMaxだと感じる。全長(4990mm)もしかり。路駐用の白枠線に入れるのはやはりぎりぎりだ。

ただし、これが具体的に通常の運転に支障があるかというと、まぁ感じ方にもよるだろうが、個人的には全く気にならない。確かにサイズはあるが、見切りは悪くないし、車庫入れのようなケースでも、ダッシュセンターにつくカメラ機能が大いに効力を発揮してくれるから困ることはなかった。

基本的にドライブトレーンは2列シートの『CX-60』と同じだから、本来ネガ要素を持ち合わせていれば同じ症状が出るはずだと思っていた。CX-60は昨年暮れに改良を受け、さらに今年3月にもCX-80と同様に改良を受けている。

マツダ CX-80 XDドライブエディションマツダ CX-80 XDドライブエディション

筆者がCX-60を最後にドライブしたのはそのちょうど間、つまり2026年1月であった。その時感じたのは、多くの部分で改善が見られたものの、トランスミッションが発する「ゴー」というか、「ザザザザ」に近い不快なノイズを感知したのだが、CX-80ではそれが全く感じられなかった。

理由の一つとして考えられるのは気温。CX-60でも冷間時に特に顕著で、クルマが温まるとその音は小さくなっていたのだが、今回はそれが全く感じられない。温度という要素だけでなくて、この音のネガ潰しが半年の間に行われたのかもしれない。これが「あれっ?」その1である。

◆乗り心地、ハンドリング、トランスミッションは

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次に、このクルマの2つ目のネガであった乗り心地のフラット感の少なさ、である。元々ハンドリング優先(と、個人的に思っている)の乗り味を重視しているマツダだから、相反する要素である乗り心地については、そこには多少目をつぶるべきだとは思うのだが、今回は特に指摘するほどというか目くじらを立てるほどの感じ方ではなかった。

そのサイズゆえに高速に行けば元々豪華クルーザーのごとく快適で、ゆったりした感覚は受けていた。ただ、今も荒れた路面に行った時のドタつき感はどうしても感じてしまうが、その分のハンドリングの良さや運動性能の高さで、相殺される。

トランスミッションのぎくしゃく感は基本的に消えている。でも、低速時の変速のスムーズさはあと一息改善を加えて欲しい。具体的には極低速の精々10km/h~20km/h以下で、アクセルのオンオフをしなくてはならないケースでは、クルマの方で1速をチョイスかもしくは2速をチョイスかを迷うケースがあって、その際には動きにスムーズさがなくなる。かなりアクセル操作に気を使う必要があって、そうした状況では運転に神経を使うことが多かった。

◆乗るたびに熟成が進んでいる

マツダ CX-80 XDドライブエディションマツダ CX-80 XDドライブエディション

今回は、多用なシーンの使い勝手が体験できた。大の大人5人乗車のケースでは、3列目を一つ使い、2列目に二人掛けでゆったり過ごしてもらう(お客様なので)必要があったのだが、そんな際にも3列目の折りたたみが楽だったり戻すのも楽だったりと、こうした部分に使い勝手の良さを経験できた。荷物もあったため、どうしても3列目を折りたたむ必要があったのだが、一つだけを起こしておけば、長尺モノの収納も楽であった。

高速の移動が多く、今回は800km以上を走破したが、ACCを駆使すればとにかく安楽で疲れ知らずの移動ができる。

クルマに対する感じ方は個人差があって当然。走りの質も、求めるものが違えば評価も分かれる。スタイリングしかり、乗り心地しかり、使い勝手しかりであるが、おそらく誰もが共通して「良くない」と指摘するであろう部分は、ナビの音声案内及びインフォメーションを伝えるAI女性の訛りがひどいこと。これは何とか標準語で喋ってもらいたいものである。

いずれにせよ、乗るたびに熟成が進みクルマがよくなっていることを感じさせる。あと一歩のところまで来ている。

マツダ CX-80 XDドライブエディションマツダ CX-80 XDドライブエディション

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)
AJAJ会員・自動車技術会会員・東京都医師会「高齢社会における運転技能および運転環境検討委員会」委員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来48年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。最近はテレビ東京の「開運なんでも鑑定団」という番組で自動車関係出品の鑑定士としても活躍中。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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